道はどこまでも続く (ページ6)

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6話ページ6

｢……ずっと騙しててごめんなさい
諸事情によりゴールされる訳にはいきません。足止めさせていただきます｣

｢諸事情って？｣

｢い、言いたくないから諸事情なんです!!｣

マッシュは拘束された状態から起き上がると｢人の力では外せない｣と言われた拘束具を簡単に引きちぎる

｢悪いけど、僕にも諸事情があるんだ
行くよヴァン｣

マッシュは私を抱えると走り出した

｢ねぇ、マッシュ｣

｢何？｣

｢彼女とゴールしないの？｣

｢……｣

晴れない表情で走っていたマッシュの足が止まる
思うところがあったのだろう、それでもあのまま彼女と行動していても試験合格は出来ない
彼の中で自問自答が繰り返されて整理が追いつかなくなっている

｢……ヴァン、僕はどうするべきだと思う？｣

｢それはマッシュの好きなようにしなさい
少しは手伝ってあげる｣

｢ありがとう｣

踵を返したマッシュはとてつもないスピードで来た道を戻っていく
よく分からん銅像に絡まれていたレモンを助け出し出口に行く算段を立てようとするが生憎作戦会議をしている暇は無い

｢ゴールはアッチ、でもここからだと入り組んでてマッシュのスピードでも5分はかかるよ｣

｢そ、空飛ん箒もないのに……え??｣

｢魔法使いは箒なくても飛べるよ
考えてる暇無いから、とりあえず行くよ｣

レモンの服を掴み彼女と一緒に浮く
マッシュはそれを確認すると壁を突き抜けて進み始めた

既に迷路の概念ぶっ壊してんだけど……

｢あの……私重いですよね……｣

マッシュの後を追いかけていれば不意に彼女がそう呟いた
重い……って体重のこと？

｢(魔法使ってるから)重くないよ｣

｢でもっ、私2人を裏切ったのに助けてくれるなんて…本当｣

｢レモンを助けるって言ったのはマッシュだよ｣

｢え？｣

｢マッシュが思い詰めた顔をしたから私はそれの手助けをしただけ
お礼ならマッシュに言ってね｣

｢〜ｯ!!はい!!!!｣

(なんで急に元気になったんだろう……？)

勘違いは加速する＿＿＿