道はどこまでも続く (ページ42)

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42話ページ42

最終試験当日
イーストン大講堂にて開会式が行われようとしていた
盛大な入場曲と共に入場してきたのはイーストン校とヴァルキス校の2校の候補者のみ

セントアズル校は呼ばれても入場せず会場がザワつく中
司会進行の彼女が誰かから手紙を受け取り読み上げた

｢えーっと……なんと!?
セントアズル校の生徒は辞退するそうです!!これはどういうことなのでしょうか!?｣

｢フフ、彼らは怖気付いてしまったようですね｣

ヴァルキス校の1人がそう呟きながら地面に落としたのはボロボロに割れた血だらけの杖
その杖を見せるように何度も地面に擦るように踏み潰していた

｢…悪趣味｣

｢あらお怒り？｣

｢当たり前でしょ。煽りだったとしても気分が悪い｣

物陰から様子を見ていたヴァンデラーは不愉快そうに顔を歪め怒りを隠そうともしていない

｢あーえっと…手紙には続きがあります
我々セントアズル校の出場枠をヴァルキス校に譲渡します…!?｣

司会の言葉に｢ありがたく｣と白々しいにも程があるほど用意していた3人をヴァルキス校の横に出す
現時点で6:3。圧倒的こちら側のフリ

｢嫌な戦い方するね
魔法の実力のみを重んじる学校なら3人で戦った方がわかりやすいんじゃないの？｣

｢君、思ったより喋るんだね｣

｢それ今言う?私だって喋るよ｣

｢ホラホラヴァンデラーがやる気に満ちてる時に横槍を入れないの
そろそろ出番かしら。行くわよ｣

｢やる気になってない｣

アベルと余計な話をしていた間にマッシュ達の方でも動きがあったらしくマーガレットを先頭に彼らの方へ向かう
魔法を使われ個々にされたマッシュ達ヴァルキス校の生徒が次の魔法を放った瞬間指を鳴らす音が聞こえ一瞬にしてその場にあった魔法が消えた
全員がポカンとしていたところでアベルが

｢6対1とはフェアじゃないね
母さん｣

｢また人形に話しかけてる……｣

｢あ、やっぱりたまに聞く母さんって人形だったんだ｣