道はどこまでも続く (ページ5)

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5話ページ5

イーストン魔法学校
魔法界の中枢を担う数々のエリートを送り出してきた由緒ある名門校
編入試験は当然超難関

そう言われているが……

｢この時代の魔法使いと比べたら私できる方ですし……｣

ガシャガシャガシャガシャガシャガシャ

｢まぁ、新しい魔導書か何か見つかったら掘り出し物ですかね｣

ふんふんふんふんふんふんふんふんふん

｢……ねぇ、マッシュ｣

｢何？｣

｢その筋トレ器具はどこから持ってきたの？｣

｢家から｣

｢……そっか｣

｢｢｢もう少しツッコミ入れて!!諦めないでー!!!!｣｣｣

近くにいた人間の声がひとつになった瞬間である

目元辺りまで覆い隠すほど深く被ったフードの隙間から周りを確認すると殆ど参考書を読み最終確認や精神統一といった緊張の中マッシュはシュークリーム片手に筋トレ本というリラックス具合で私まで気が抜けてしまいそうだ

編入試験が始まり炎の中からできた試験監督にことごとくツッコミを入れるマッシュ
そういうお年頃なの。と諭せば理解したのか口を閉じた
一件落着だね(目をつけられたことは知らない)

最初の試験は文字が動く答案用紙で、割と簡単な魔法で対処出来たためさっさと終わらせて提出する
その後も岩を浮かせろや、水の上を渡れ等の初級魔法ばかり

｢拍子抜け。かな｣

名門校という割に試験内容は見習い魔法使いが教えられるものとそう大差ない
やはり質が落ちてるのかな……

次の試験はなんと迷路というなんとも簡単なお題
マッシュは私に着いてくる気なのか背後に近づいてきた

｢行こう｣

｢そうだ｢あの……｣ん？｣

｢私も一緒に行っていいですか？｣

可愛らしい女の子レモンが頬を染めてこちらに近寄る
マッシュは首を傾げながら理由を聞き｢効率的だから｣という理由を聞いてOKを出した

｢……罠だね｣

｢避ける？ハマる？｣

｢避ける一択、無駄な争いは生むものじゃ｢ｷｬｧｧｧｧ｣｣

分かりやすく設置された罠にレモンはハマり泣きじゃくる
助け出したはいいもののその後も何度も同じようにハマっては助けてくれ、待ってくれと懇願していた

｢……これ以上足を引っ張るなら置いていくか浮かせるけど
どっちがいい？｣

｢お、置いていかないでくださいぃぃぃぃ……｣

｢ヴァン、もう少しで時間が｣

置いていかないでほしいと言いつつ答えを出さない彼女にマッシュは諦めて私の腕を引く
置いていこうと彼女に背を向けた瞬間、マッシュの両手足が拘束された