道はどこまでも続く (ページ34)

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34話ページ34

(ほぼ無理やり)連れてこられた魔法局
通された部屋は書斎で彼と2人きりの空間に思わず首を傾げるも座れよと言わんばかりの圧に質のいいソファに腰を下ろすと｢さて｣と突然彼が話し始めた

｢まず貴方とワースの関係ですがいつから付き合ってるんですか｣

｢なんて？｣

｢…………なるほど。では付き合ってないと｣

｢付き合ってないよ｣

尋問されること数分、ワースとの誤解が解け彼は力が抜けたのかソファに背を預けた
こうやってマジマジと見ればどことなく顔立ちが似てるな
彼の顔をジッと見つめていれば視線に気づいたのか何故か見つめ合う形になる

｢なんです？｣

｢深い意味は無いよ。ワースと君の顔立ちの違いを考えてただけだから｣

｢なるほど己の探求心に忠実ということですか
では私もそれに習って。触れても？｣

対面していた彼が隣に移動してきて拒否する理由もないと頷けば最初は手、髪、顔と観察するように触られはじめる

｢温度はある、人と同じ肌触り……羽はないんだな｣

｢みんな聞くね？エルフに羽はないよ｣

｢なるほど。では次、耳は………｣

｢ちょっと｣

耳に触れようとした彼から離れるため耳を少し下げて顔を離せば驚いたように固まった

｢動くんですか？｣

｢??体の一部だからね｣

興味深そうに見続ける彼から逃げるために｢もう終わり｣と発言すれば大人しく引き下がり元の位置へとお互い戻った

｢なるほど、色々な本を読んできたが本当のエルフと多少なりとも違いはあるらしいですね｣

｢3000年も時間が経てば仕方ないことだよ。1000年前の功績を残した英雄(人)さえ理想となり神格化するからね
どんなに時間が過ぎても人として覚えて生きてるのはエルフくらいだ｣

まぁ、そのエルフが滅んでるんだけど
私の言葉に彼はメガネをあげて私の顔を見つめる

｢誰かの死を見続ける役目というわけですか｣

｢……そうだね
数多くの死を見てきたよ、それこそ私が大事にしていた弟子達もみんな死んでしまった。それでも彼らの顔、仕草、好きだった魔法、得意な魔法全て思い出せる｣

目の前の彼と再度見つめ合う

｢君たち人間にとって時間の限りは短い
少しでも思い残しがないように毎日を生きることをオススメするよ｣

｢………私は｣

彼が何かを話そうとした時扉が勢いよく開かれる
入ってきたのは金髪の男で私を見て一言

｢ココにエルフがいると聞いたが本当に耳が特徴的だな!!｣