道はどこまでも続く (ページ33)

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33話ページ33

｢マッシュ、離れてて｣

｢ヴァン
……フードは｣

怪物と鎖で綱引きしていたマッシュに笑いかける

｢その話は後で。生徒たちが優先｣

私の言葉にマッシュは鎖から手を離しすぐさま距離を取った

｢待て!!ソイツには魔法を無効にする結界が｢ゾルトラーク｣へ｣

怪物の頭上に魔法陣が浮かぶが結界を破壊し怪物の体に魔法が貫かれる塵となって消えていく怪物を冷めた目で見下ろしている人間。いや、一人の少女の姿

｢バラしちゃった｣

ずっと浮いたままなのも疲れるため地面に降りると私を囲むように集まった人、人、人

｢まさかエルフか……？｣

ランスのつぶやきに私は｢そうだよ｣と頷く

｢まぁ、昔の時代から時空を超えているんだけどね｣

｢????｣

｢魔法試してたらこの世界に飛んだみたいな｣

｢俄然分かりやすくなった!!｣

ドットの言葉に｢良かった｣と笑いかければ変な悲鳴を上げて倒れた。え、何怖……
私と対峙していた魔族は逃げたらしい
一瞬の精神魔法ではあったがアレを解いて逃げたとなるとおっていたより厄介な敵だな

そう考えていれば突然砂で拘束され身動きが取れなくなる

｢ヴァンデラー一度魔法局に来てもらう
拒否権はないと思え｣

｢拘束する前に言うんじゃないかなソレあとこれだと抵抗できないけど｣

｢ふん｣

スタスタと歩き出した彼に引っ張っられるように砂でうかされた体は動き出す
特別抵抗も見せずされるがままになっていれば

｢ヴァンデラー!｣

名前を呼ぶ声が聞こえ顔を上げるとワースが不安そうに私を見ており私と神覚者の人を交互に見たあと

｢コイツに傷1つ付けんじゃねぇぞ!!｣

｢傷つけたら貴方はどうするんですか｣

ｳｸﾞｯと声を詰まらせるワースを今度は私が神覚者と交互にみる
あれ……なんか似てる……？

｢………に、兄さんのこと嫌いになる｣

弱々しいワースの声に神覚者の彼は｢ふーっ｣と息を吐き

｢傷つけませんよ、話を聞くだけです｣

そう言うと再度歩き出したが私は無理やり足を止め

｢ワース｣

｢あ？｣

顔を伏せていたワースの近くにとある本を出すとそれを受け取った彼は首を傾げた

｢花を咲かせる魔法が書かれた本だよ
私が帰ってくるまでに脳に叩き込んでおいてね｣

｢あぇっ!?
ちょ!!待て!!!!マジで覚えさせる気だったのかよ!!!!｣

｢花を咲かせる魔法…興味深いですね
私にも貸してください｣

｢僕も気になるな｣

｢可愛いの!!!!｣

｢〜っ!!!!散れー!!!!!!!!!!｣