道はどこまでも続く (ページ29)

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29話ページ29

試験を終わらせる放送が聞こえ彼を魔法で浮かせたまま出口に向かうとすでに待機していた救護班に預け、背後から感じた殺気に振り返る

｢悲しみの冬ね…｣

｢ゴメンなさい、緊急事態だったから｣

｢仲間を助けるのは悪いことでは無いけれど。次は最後までやりましょうね｣

笑みは崩さずとも怒っているのは分かる
バサリとローブを翻し会場から出ていくマーガレットの背中を見つめているとマッシュが私の方に近づいてきた

｢ヴァンが負けるとは思ってなかった。僕みたいに水晶自分で割ったの？｣

｢僕みたいに……？
私は同じチームのアオリオに私の分の水晶手渡して消えたから私自身は水晶割ってないよ｣

｢なんと｣

移動魔法使うと割れちゃう可能性あったからね。と補足すれば分からなかったがとりあえず頷いておこうというのが垣間見えて笑ってしまう

｢私は落ちてしまったけど、試験合格おめでとう
次の試験も頑張ってね応援してる。｣

手を振り彼らと別れ観客席の方へ歩く
人気のいない場所まで行くと私は肺に溜まっていた空気を全て吐き出すかのように深くて長い息を吐きゆっくりと瞼を下ろす
視えた平行世界はカルパッチョのことだけでは無い。只者ではないナニかがコチラに近づいてきている

｢目的はなんだろうね……面倒なことにならないといいけど｣

……うーん、ダメそう
彼らの向かっている先にあるのはココ、イーストン魔法学校

｢仕方ない先手打っておくかな｣

鳴り響く歓声を背に私は闘技場を後にした
全ては彼ら(人間)のよりよい未来の為に＿＿＿＿