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27話 ページ27

場所は変わって___


「ゴフッ」

「大丈夫?フィン君しっかりして」


カルパッチョとの戦闘後、大量の血を流したフィンは文字通り''死にかけていた''
無数につけられた傷から流れ出る血は止まることを知らず地面を赤く染め彼の移動した道しるべとなりつつある。どんどんと失われていく血液に燃えるように熱かったはずの身体は段々と熱が失われ今では芯から冷えていく感覚と


「なんか……眠いなぁ……」

「え、どうしよう……」


友人の緊急事態にマッシュは肩を貸すのをやめて衝撃があまりかからないよう横抱きにシフトチェンジする
試験は脱落チームが出るまで終わらない。それがいつになるのか…どうしようと自分の手の中でだんだんと血の気が失われていく友人をただ見ていることしか出来ない自分に焦りと焦燥感が募っていく中ふわりと嗅いだことのある匂いが鼻を掠めた


「マッシュ、彼を見せて」

「ヴァン……デラー」


突然目の前に現れた人物。ヴァンデラーにマッシュは多少なりとも警戒する
いくら性格を知った信頼出来る人間だとしても今は試験中。そしてマッシュとヴァンデラーは敵同士 そんな敵に自分の味方であり大事な友人を託してもいいのだろうか
考えれば考えるほど分からなくなる状況にマッシュはグルグルと思考を巡らせるがヴァンデラーの「早く」という言葉に大人しく従った
膝を落とし地面にフィンの身体がつかないよう注意しながら見せると聞き取れない文言をブツブツと唱えながらヴァンデラーはフィンの心臓部に手を重ね目を閉じた


「とりあえず服に着いていた血を体内に戻して血がこれ以上でないように回復魔法はかけた
完全な応急処置だからここを出た時は直ぐに救護班に彼を渡して」

「ガッテン、ありがとう」


ヴァンデラーの回復魔法によってフィンの顔色は幾分かマシにはなっていた。危険な状態なのには変わりないが
マッシュは素直にお礼を言うと「なら戦闘を…」と言いかねない体勢をとるがヴァンデラー自身戦う気はなくマッシュの横を通り過ぎる


「私は水晶持ってないから戦う意思はないよ
ここに来たのはカルパッチョの回収。君たちはついで」

「あ……なるほど…………」


じゃあね。と軽く手を振った彼女はマッシュが歩んできた道をスタスタと歩き始めた

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ありもぎ - 大好きですッッッ (3月21日 18時) (レス) @page50 id: 5a5aa31b6c (このIDを非表示/違反報告)
pjzfypgcgm(プロフ) - めっちゃおもしろいのに更新も早いなんてさいこー!!神!! (3月20日 22時) (レス) @page50 id: 898c7a0812 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 良い作品!めっちゃ面白い! (3月16日 9時) (レス) @page35 id: 3801cff032 (このIDを非表示/違反報告)
青空餅名無し6306号(プロフ) - この作品大好きです‼︎投稿頑張ってください‼︎ (3月13日 18時) (レス) id: e874f646c6 (このIDを非表示/違反報告)
うにゅ(プロフ) - 好み♡ (3月10日 21時) (レス) @page23 id: 5f8f8b1a53 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水菜目 | 作成日時:2024年3月7日 14時

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