道はどこまでも続く (ページ3)

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3話ページ3

彼らと暮らすこと早3年
色々と分かってきたこともある

神に選ばれなかった存在、顔に線がない人間は政府に提出し殺されてしまうこと
今でも貧困は続いてること
魔法の質が私がいた時よりも下がっていること

力技で何とかできることもあるということ

｢……あ、ドアって引き戸だっけ？押し戸だっけ？｣

バキッ

｢……ごめん｣

｢扉直す魔法覚えてて良かった
アッチでは使うことなんてなかったから｣

魔法で扉を直しマッシュは私に深く頭を下げてきた
その頭を優しく撫でれば雰囲気が柔らかくなり気持ちよさげに目を細めている

｢ヴァンの魔法はすごいね
なんでも出来る｣

｢ありがとう。何でもは出来ないけどある程度は出来るよ
私もマッシュの役に立てて嬉しい｣

｢えぇ、ワシの子供可愛い……ｺﾞﾎﾝｯ
マッシュ、ヴァンデラーワシは少し出かけてくる
何回も言っているがワシのいない間に街へ行ったりするんじゃないぞ｣

｢うん。行かないよ｣

ネグロが家から出たのを確認し私も地下で本を読もうとマッシュと別れた

それまた数刻後＿＿＿＿
複数の魔力を感じ本から顔を上げた
上では何やら言い争う声が聞こえ、床板の隙間から中を覗いてみる
警備服に身を包んだ3人がネグロを痛めつけていて、彼にマッシュの居場所を吐かせようとしていた

それでもネグロは彼の場所を吐く所か｢逃げろ｣と強く叫ぶ

｢……やっぱり人間は暖かいね｣

ネグロに向かって放たれた魔法を防御魔法で弾くと突然のことに彼らは目を見開いて私を見る

｢なん……だ、お前｣

｢ヴァンデラー……何故でてきた!｣

｢騒がしくて読書どころじゃなくなったからかな
あとネグロが痛めつけられてるの見ていられなかった｣

｢なんだなんだァ？ただの嬢ちゃんに何ができるってんだ
逃げないと痛い目みるぞ？｣

目の前の男が何かを放とうと杖の先に光が集まる
ゆっくりと時間をかけて行くソレに(攻撃していいかな？)と考えていれば彼は魔法を放つ前に右から壁をつきぬけてきたマッシュにぶん殴られてしまった

｢ダイナミック帰宅｣

｢ただいま大丈夫？｣

｢あ、うん私はね。おかえり｣

家は大丈夫じゃないと思う