道はどこまでも続く (ページ18)

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18話ページ18

寮長に呼び出された理由はとても簡単だった

｢少しは休みなよ｣

｢うるさい今いい所なんだ｣

｢彼、ここ3日はずっとこの調子で食事すらとってないの
仲がいい貴方なら何とかできると思って呼んだのよ｣

とある一室でガリガリとペンが走る音とその後ろで会話を続ける2人
その部屋のベットの奥では頭に枕をかぶり唸り声を上げる同室者が居た

｢あの子のペンの音と独り言で眠れないって苦情が来てね
どうにかして眠らせないと｣

｢眠らせる…か｣

｢あら、乗り気じゃない？｣

意外とでも言いたげな表情をするマーガレットに｢なにかに没頭してる時の楽しさは理解出来るから｣と彼のそばに歩いていくと無理やり机の上に乗り上げまだ没頭している彼、カルパッチョの顔を覗く

｢邪魔……って、ヴァンデラー………………｣

｢おはよう、凄い集中してたね｣

｢酷い隈｣そう言いながらカルパッチョの前髪を触るヴァンデラーに何をする訳でもなくじっと見つめたまま

｢うん研究が進んだから忘れないうちに書いてたんだ
……あ、ヴァンデラーにも聞きたかったんだけどここの文章から｢ストップ｣……｣

再び自分の世界に入ろうとしたカルパッチョの口を物理的に閉じさせ不服そうな顔をする彼と目を合わせる

｢とりあえずご飯を食べなさい。話は食事をしながら聞くしメモも私が書くから
立てる？｣

手を取り立ち上がるよう促すと大人しく従う彼にマーガレットは目を見開いた

｢何食べたい？なんでもいいよ｣

｢……激辛なやつ｣

｢ダメ｣

｢なんでもいいって言ったのヴァンデラーじゃん｣

｢お粥持ってくるわよ｣

｢もうそれでいい｣

ポンポンと会話を進ませながら部屋を出ていった2人を見つめ続けるマーガレットにようやくカルパッチョから開放された同室の人間が申し訳程度に話しかけた

｢彼らいつもあんな感じですよ
噂だと付き合ってる……とかあったりしますけど怖くてどっちにも聞けないんですよね｣

｢は……は………………春の訪れね｣

(こ、こえぇぇぇぇぇぇ……)

｢んー……彼女も誘おうとと思っていたけど私一人の方が良さそうね
春の邪魔は出来ないわ｣