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終わり ページ31

「それにしても、呪術師とは何度か目にしたがお主程の使い手は稀じゃな
素手で地面を割ったのは見た事ないぞ」


ゲゲ郎はAの姿を上から下へ下から上へと全身を何度も見回す
華奢な娘にしか見えない彼女が拳ひとつで地面を割るのは誰も想像つかないだろう


「水木を片手で引っ張りあげたのも術式か?」

「えっ、片手……………?」

「水木さん引かないで
術式ですよ。簡単なものですけど
こっからは専門的な話になってくるのでやめますけど、呪力はわりとなんでもありなチート能力なんです」

「ちーと とな」

「そうそう、ちーと」


歩き出したAの後ろに俺らもついて行く

……何故最後に彼女を思い出したんだろう
そう考えていれば、隣でゲゲ郎が笑った


「なんだよ」

「お主が考えておる事が何となく分かってな
呪いの姿がAだったことに疑問を持っておるのじゃろう?

ワシには彼奴が岩子に見えたんじゃよ」

「は」

「憶測じゃが、アレは見た者の大事なヒトに見える
それでいくつもの妖怪を誘い込んで養分にしてきたんじゃろうな

お主が見た者がAなら、水木の大切な人はAだと言うことなんじゃな」


確かに、色々助けられてきて大切なことに変わりはない
だがその感情は岩子さんやゲゲ郎も例外じゃないはず……

少し先を歩く彼女の後ろ姿をもう一度見る
月明かりに照らされ反射する黒髪にサラサラと揺れる髪

視線に気づいたのかAはゆっくりこちらを見てふわりと笑い


「何か?」


そう笑った瞬間自分の顔に熱が集まるのが分かり思わず目を逸らしたが直ぐに何かがストンと心に落ちた
……そうか、俺はAが大切な存在なんだな


「____なんでもない」


フッと思わず笑ってしまいAは首を傾げたが首を戻して再び歩き出す














「A」

「なんでしょう」

「月が綺麗だな」

「……そうですね
月はずっと綺麗でしたよ」

「ハハッ、それもそうだ!
岩子さんも心配しているだろうし早く帰ろう」









「なんじゃこいつら、もどかしいのぅ……」

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あべの(プロフ) - そして、この後の囲われた日常が気になるのは自分だけなんでしょうか? (12月25日 15時) (レス) @page25 id: 55582985e0 (このIDを非表示/違反報告)
あべの(プロフ) - 1から3まで並べると尊くて泣きます。 (12月25日 15時) (レス) @page25 id: 55582985e0 (このIDを非表示/違反報告)
箔月(プロフ) - えー、全て神でした (12月25日 11時) (レス) @page25 id: 26079ce184 (このIDを非表示/違反報告)
rune16(プロフ) - 第一特典はと合わせたい神絵でした。遅くなりましたが、コメント失礼しますwww私は第一特典もらってないので是非とも並べたい。いや、並べないといけない第三特典だったとお伝えします! (12月25日 11時) (レス) @page25 id: c9d7379dbf (このIDを非表示/違反報告)
Rin'lan - 天才すぎます!! (12月23日 21時) (レス) @page19 id: 3767ef094f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水菜目 | 作成日時:2023年12月11日 2時

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