この世は地獄

終わり ページ28

分かってたさ。全部わかってたのに………
声には出さなかったものの自分の勘違いに落ち込んでいると隣に移動してきた水木に肩を軽く叩かれる


｢山田、体調悪いのか？動けないなら俺が家まで送るが…｣


お前まで俺を勘違いさせようとするのか?


｢み、水木ぃ〜!!｣


水木に抱きつこうとしたがそれは洋服の美人が水木を後ろに引いてそれは叶わなかった


｢水木さん、送るなら私がやります
あなた方は先にAさん達と帰っててくださいな｣

｢岩子が送るよりワシじゃろ｣


送るのを代わろうとした女性の横から着流しの男が割って入る。心做しか睨まれてる気が……？


｢あなた達関わりないでしょ
ここは一番腕っぷしが立つ私がいいかと｣

｢お主はそのまま姿くらますからダメじゃ｣

｢ﾁｯ｣


なにやら問題が起きているが水木はそれらを無視してもう一度俺に｢大丈夫か？｣と聞いてきた
なんだよお前ら…


｢……大丈夫だ。悪いな
幸せになれよ……!｣


勢いよく走り出す。目から剥がれ落ちるように涙が落ちていくがそんなこと気にしていられない


｢ｸｯｿｫｫｫ辞めてやる!!｣


他人の幸せはどうやら俺には毒らしい
コレが退職を決めた瞬間だった





｢突然どうしたんですあの人、叫んで消えましたけど｣
水木が憑かれやすいので祓う兼生きた御札、A


｢やっぱり体調が悪かったのかしら｣
同じく憑かれやすい水木の護衛、岩子


｢変な人じゃったな｣
ただ鬼太郎自慢しに来た、ゲゲ郎


｢うーん…｣
勘違いしていることに気づいてこれからのことに頭痛を覚えた水木

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