検索窓
今日:165 hit、昨日:170 hit、合計:86,835 hit

17話 ページ17

「ココです」


施錠のされた大きな門の前
針金で鍵を開ければ人一人通れるくらいの幅を開ける


「あ、お母様と長田さんは入ってこないでくださいね
お2人は今から村の出口に向かってください」


コレを。と長田さんにとある木札を渡す


「御守りです。出口に出るまでは声を出さないように
その御札は姿を消す物ですが声を出せば姿が見えるようになります」

「……私に村を出ろと」


母が肩を震わせてそう聞く
怒りなのか、喜びなのか判別はつかないが全てを説明している時間はないと判断し簡潔に


「死にたいのなら村に留まって結構
コレは私からの親孝行です」


彼女がどれだけ苦しんでいたか、20年間見てきたのだから
彼女はこの村に縛られ毒されすぎたんだ。
実父との行為、強制された結婚、龍賀家の因果

そろそろ幸せになってもいいでしょう
それに、母親の幸せを願って何が悪い


「長田さん、お母様を頼みました」

「…わかりました」


母の肩に手を乗せた長田さんは来た道を戻りだす
その姿を確認してずっと黙ってくれていた2人に感謝を述べる


「いや……でも意外だったな
他人がどうなろうと興味を示さないのかと思っていた」

「私も人の子ではあるので」

「助けるのはあの2人だけか?」


目玉だけ動かしたゲゲ郎さんに私は「さぁ」と適当に返事する
村の人間全てを助けるのはどう足掻いたって無理
私は、この手ですくえるごく一部だけしか……


「さ、行きましょう」


扉をぬけて最深部へとたどり着く
月の光に照らされ目の前には通常よりも赤く染ったしだれ桜が1本植えられ、その近くには


「時貞翁!?」


干からびた祖父、時貞の遺体と大きな遺影
その下をトコトコと歩いてきたのは、従兄弟の時弥だった


「時弥くん!?何でここに…」

「待ってください水木さん、よく見て」


駆け寄ろうとした彼を手で制しよく見るよう促せば、彼は魂の姿を認識したのか分かりやすく困惑する


「ほぉ〜魂の姿が見えるか
幽霊族…よぉ来たのぅ

そしてAや、よくもワシを葬ってくれたな」

「「!!」」

18話→←16話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (199 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
359人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あべの(プロフ) - そして、この後の囲われた日常が気になるのは自分だけなんでしょうか? (12月25日 15時) (レス) @page25 id: 55582985e0 (このIDを非表示/違反報告)
あべの(プロフ) - 1から3まで並べると尊くて泣きます。 (12月25日 15時) (レス) @page25 id: 55582985e0 (このIDを非表示/違反報告)
箔月(プロフ) - えー、全て神でした (12月25日 11時) (レス) @page25 id: 26079ce184 (このIDを非表示/違反報告)
rune16(プロフ) - 第一特典はと合わせたい神絵でした。遅くなりましたが、コメント失礼しますwww私は第一特典もらってないので是非とも並べたい。いや、並べないといけない第三特典だったとお伝えします! (12月25日 11時) (レス) @page25 id: c9d7379dbf (このIDを非表示/違反報告)
Rin'lan - 天才すぎます!! (12月23日 21時) (レス) @page19 id: 3767ef094f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:水菜目 | 作成日時:2023年12月11日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。