16話 ページ16
ｶﾞｺﾝｯと乗っていたエレベーターが止まり目の前の扉がゆっくり開く
最初に感じるのは血液特有の血生臭ささと薬品の香り。そして＿＿＿
｢あぁぁぁぁぁぁ…｣
｢ﾋｭｩ…ﾋｭｩ………ｶﾋｭｯ｣
無数のか細い呻き声
水木さんは吐き気を催したのか思わず口を抑え目線を下げる
母が歩き出したのを合図かのように全員が室内へと入った頃には水木さんだけでなくゲゲ郎さんも目を見開いた
それもそうだ。目の前には人だったはずの者がベットに縛られ赤くなっている管に繋がれた状態で所狭しと並べられている
｢なっ……コレは……｣
｢コレが''M''の原材料です｣
｢!｣
｢幽霊族の血を人間に加える事で生きた屍となる
その者から血を摂ることでMを精製するのですよ｣
嫌な笑顔で笑う母に隣に立っていたゲゲ郎さんは奥歯を噛み締めたのかｷﾞﾘｨと嫌な音が聞こえた
ここまで説明されれば彼も何が行われているのかほとんど理解したのだろう
｢ワシの妻からも血を採ったのか……!!｣
｢えぇ、今。この時も｣
ヒュッ
ゲゲ郎の拳は母である乙米の前で止められた
思わず腰を抜かした母は地面に倒れ込むが拳を止められたゲゲ郎はそんなことを気にもとめず止めた張本人である私を睨む
｢まさかとは思うが、お主全て知っておったな
知った上でワシらをここまで連れてきたのか!!｣
｢……そうですね、知っていました
幽霊族の人が囚われていることも、ここの惨状も
だから貴方を連れてきたんです。全て壊してもらうために｣
お互いが睨み合う。一触即発の状態が続くかと思えば不意に水木さんの出した声にその空気は消え去った
｢あ、鼻血｣
｢大丈夫か？｣
｢問題ねぇ｣
｢いや、大ありですよ
ハンカチ使ってください｣
1度は断ったが無理やりにでも抑えようとすると渋々と言った形で受け取り鼻を抑える水木さん
先に進もうと一歩踏み出した時、何か気配を感じて振り返った
｢どうした｣
｢……いえ、なんでも｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 359人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あべの(プロフ) - そして、この後の囲われた日常が気になるのは自分だけなんでしょうか？ (12月25日 15時) (
レス) @page25 id: 55582985e0 (このIDを非表示/違反報告)
あべの(プロフ) - 1から3まで並べると尊くて泣きます。 (12月25日 15時) (レス) @page25 id: 55582985e0 (このIDを非表示/違反報告)
箔月(プロフ) - えー、全て神でした (12月25日 11時) (レス) @page25 id: 26079ce184 (このIDを非表示/違反報告)
rune16(プロフ) - 第一特典はと合わせたい神絵でした。遅くなりましたが、コメント失礼しますwww私は第一特典もらってないので是非とも並べたい。いや、並べないといけない第三特典だったとお伝えします！ (12月25日 11時) (レス) @page25 id: c9d7379dbf (このIDを非表示/違反報告)
Rin'lan - 天才すぎます!! (12月23日 21時) (レス) @page19 id: 3767ef094f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：水菜目
| 作成日時：2023年12月11日 2時
