14話 ページ14
人里離れた、水の音だけが聞こえる静かな場所
腰が抜けている水木をゆっくりと下ろし、その隣にゲゲ郎も座ったところでAはゆっくりと語り出した
「まずは呪術師というものがなんなのか。から行きましょう
呪術を用いて呪いと呼ばれる存在を祓うもの
歴史は古く、千年以上前から呪術師というものは存在しています
昔は祓う人間が多かったものの現在では年中人手不足になっているくらい稀な存在ですね
私の前の家でも呪術師になれるほどの力を持っていたのは私含め5人ほどでした」
「前の家って…Aさんはずっと龍賀家の人間なはず…」
口元に手を当てて考える姿勢を取った水木に「今はそうですね」と軽く答える
「輪廻転生、と言うのでしょうか
私にはどうやら前世の記憶が残っているようなんです」
「なっ!!はぁ!!?」
「ほぅ、なるほどのぅ」
目を白黒させる水木とは違い何処か腑に落ちたように納得するゲゲ郎
その光景を見て「真反対だな」と笑みをがこぼれた
「私の体に術式が刻まれているのも前世が絡んでいますし、ずっと呪術師として生きてきましたから呪詛師、呪術を用いて人に仇なす存在には嫌悪を人一倍抱くんです」
「一つ質問いいか」
事の大きさに落ち着こうとタバコに火をつけた水木は片手を上げて問う
「その、呪術師が相手にするのは人間なのか?
それとも狂骨みたいな妖怪?」
「どちらも殺れますがどちらかと言うと妖怪…といっても呪いの影響を受けすぎた妖怪ですが
私が祓うのは人から生まれた呪いと呼ばれるものです
妖怪も人の思いから生まれるものではありますが、力を持っているものは少ないので」
やったとしてもせいぜい溺れさせようとしたり、脅かしたりと可愛いものばかり
あんなものまで一掃してたら過労で死んでしまうよ
そう説明すると水木はチラリと隣に座るゲゲ郎を見たあと「そうか」と安心したように肺に貯めた煙を吐いた
「随分、仲良くなりましたね」
「まぁの」
得意気に笑うゲゲ郎に、ふぅと息が漏れる
もうすぐ日没、村の謎が解けるまであと数刻____
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あべの(プロフ) - そして、この後の囲われた日常が気になるのは自分だけなんでしょうか? (12月25日 15時) (レス) @page25 id: 55582985e0 (このIDを非表示/違反報告)
あべの(プロフ) - 1から3まで並べると尊くて泣きます。 (12月25日 15時) (レス) @page25 id: 55582985e0 (このIDを非表示/違反報告)
箔月(プロフ) - えー、全て神でした (12月25日 11時) (レス) @page25 id: 26079ce184 (このIDを非表示/違反報告)
rune16(プロフ) - 第一特典はと合わせたい神絵でした。遅くなりましたが、コメント失礼しますwww私は第一特典もらってないので是非とも並べたい。いや、並べないといけない第三特典だったとお伝えします! (12月25日 11時) (レス) @page25 id: c9d7379dbf (このIDを非表示/違反報告)
Rin'lan - 天才すぎます!! (12月23日 21時) (レス) @page19 id: 3767ef094f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水菜目 | 作成日時:2023年12月11日 2時