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13話 流血表現あり。 ページ13

ブンッと風を切る音がする
さっきまで片目の男と私が立っていた場所に斧が振り下ろされたが直ぐにその場から離れた為、斧は空を切るだけ


「交渉決裂、ということでよろしいか?」

「いくら龍賀の人間だろうと、時貞様の計画を邪魔するやつは殺してもいいって話でなぁ」


斧を構え直す男に、私を囲むように立つ長田以外の呪詛師
チラリと横目で長田を見れば何やら葛藤しているようで、この戦いには入ってこないらしい


「なるほど、実は私も話を聞きたいとは思っていましたが生かしておくのは一人で十分だと思ってたんです
無抵抗の人間を殺すのも忍びなかったので、来てくれて助かります」


刹那
斧を持っていた男の首が消えた。

ゴロッと床に頭が転がるが本人も一瞬の事に困惑しており「なんだ?」と言う言葉を最後に事切れた


「片目さん離れててください。間合いに入ると貴方も死にますよ」

「…ゲゲ郎じゃ」


ゲゲ郎さんが水木さんの隣に移動したのを確認して術式を発動させる
影から現れた人間と同じくらいの身長を持つ黒い狐が2体


「食べていいよ」


その言葉を合図に狐は呪詛師に襲いかかった
首を、腕を、足を
まるで人形で遊ぶかのように残虐に食い散らす様は悪魔そのもので
中には完全に術式が見えない者もいるのかうずくまって怯える者も無惨に殺されていく
彼女の足元は赤黒く染まっていき、少し歩くだけでピチャと音を立てた


「貴方もやります?」

「……降参です
私には武器もありませんしね」


両手を上げた長田に戦う意欲を感じなかった為、術式を消す
狐はどろりと溶けてAの影に戻って行った


「お母様と話をさせてください。
もちろん拒否を取っていただいても構いませんがその時は無理にでも乗り込むことをお忘れなく」

「承知しました」


長田が消えたのを確認して水木達の方へ向き直る
ゲゲ郎は何度か呪術師の戦闘を見たことがあるのかいつも通りだったが水木は困惑している様子
孝三叔父さんに至っては気絶なのだ


「私の事、気になりますよね
お話します。場所を移動しましょう」


ゲゲ郎が歩き出す音が聞こえたが一向に水木が立ち上がる音が聞こえずなんだ?ともう一度彼を見る


「わ、悪い…腰が抜けた」


青白い顔のまま彼は何処か恥ずかしそうに目線を下げた

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あべの(プロフ) - そして、この後の囲われた日常が気になるのは自分だけなんでしょうか? (12月25日 15時) (レス) @page25 id: 55582985e0 (このIDを非表示/違反報告)
あべの(プロフ) - 1から3まで並べると尊くて泣きます。 (12月25日 15時) (レス) @page25 id: 55582985e0 (このIDを非表示/違反報告)
箔月(プロフ) - えー、全て神でした (12月25日 11時) (レス) @page25 id: 26079ce184 (このIDを非表示/違反報告)
rune16(プロフ) - 第一特典はと合わせたい神絵でした。遅くなりましたが、コメント失礼しますwww私は第一特典もらってないので是非とも並べたい。いや、並べないといけない第三特典だったとお伝えします! (12月25日 11時) (レス) @page25 id: c9d7379dbf (このIDを非表示/違反報告)
Rin'lan - 天才すぎます!! (12月23日 21時) (レス) @page19 id: 3767ef094f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水菜目 | 作成日時:2023年12月11日 2時

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