この世は地獄

2話 ページ2

前世、と言うのだろうか
それを思い出したのは私が20歳の誕生日を迎え、一族の秘密を見せられた時だった

残酷な内容に頭を鈍器で殴られた衝撃
二重で重いわぁ·····と紅い桜の下で頭を抱えた


術式はあるのかと試してみると前世と同様の術式が刻まれており、何かあればコレを使おうと心に決めたその日
私の祖父に当たる人物に呼び出されたかと思えば夜のお誘いで衝動で殺してしまった

元気なじじいだな。私の前の家も中々のクソだったが、ここまでなかったぞ
早くくたばれ。いや、くたばったわ


と、まぁ思わずじじいを(永遠に)寝かせ近くを歩いた使用人に泣きながら祖父が息絶えたことを伝えた


｢あ、ココには呪詛師がいるんだっけ？
·····まぁ何とかなるか｣


見たところ元々祖先が呪詛師でそのままの流れで彼らも。という感じなのだから
本当の呪詛師なら順番に殺してたところだけど


｢A姉さん？｣


名前を呼ばれて振り返ると、今世で妹にあたる紗代が胸元で手を固く結んで私に歩み寄ってきた


｢どうしたの？｣

｢私、あの·····｣


もごもごと口の開閉を数回繰り返した後深く息を吐く紗代
私より身長が低い彼女と顔を合わせようと顔を覗くと驚いたのか勢いよく後ろに下がってしまった
そんな逃げなくても…とショックを受けたのは内緒


｢えっと!ゴメンなさい…なんでもありません
葬儀の前に少し外の空気を吸ってきてもよろしいですか？｣

｢いいよ、お母様には私から伝えておく
ゆっくりしておいで｣


頭を軽く撫でて紗代の隣を通り過ぎる
その時紗代がどんな顔をして私を見ていたかなんて気づきもしなかった




ーーーーーーーーーーーーーーー
夢主設定
転生後
龍賀 A
21歳

2018年、死滅回遊の時に夏油(羂索)との戦いで敗北し死亡
1935年に龍賀家の子供として生まれ変わる
｢死んだのに転生先が過去とかあんだな｣byA


術式は刻まれたまま転生したので扱うことにそう苦労はしなかった
五条達と同期で、硝子の指導の元反転術式が相手限定に使える
本人曰く半日動けなくなるから使い物にはならない。とのこと


記憶を取り戻す前はちゃんとある、内気で全てを諦めたように母親の言いなりだったが現在は自分のやりたいことを優先してやるタイプ
龍賀の秘密を教えられて頭痛がした。呪霊沢山いて痛みは増した



｢お前らみたいなのがいるから余計呪術師は仕事が減らないんだな
いつか痛い目みるよ｣

3話→←1話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す