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57話 ページ7

試合が終わり喜びを分かち合う中俺は1人、ゴール籠の柱に寄りかかってその光景をボーッと見つめていた


「死にそうな顔してんなぁ」

「……オッドアイくん」

「ん??その名前何?」


ゆっくりと近づいてきた彼の顔は霞んで見えて目元を押えながら「名前知らないから」と言葉を返す


「マジかー日本じゃなかなかの有名人だぜ?俺
オリヴァ 愛空、よろしくな」

「よろしくも何も、君とは金輪際会うことないでしょ」

「どーだか、日本は思ったより狭いんだぞ?
会うかもしれねぇじゃねぇか、俺はその運命に賭けたい」

「歯の浮くようなセリフ。何人の女性をそれで落としてきたの?」

「お?気になる?」

「興味無い、喋らなくていいよ
……1つお願いがあるんだけどさ」


薄れていく景色、足元からも力が抜けていく気配がした
愛空がまだこちらを見ていない隙に俺はお願いを口に出した


「汗かいてない人に俺を運ぶよう言ってくれない……?
ちょっと動けそうにない…………」

「は?何言っ…………おい!!大丈夫か!!!?」


ガクンッと力が抜けて硬い地面に体を強打するかと思っていたがそれをギリギリで抑えてくれたのか愛空の声が近くで聴こえる
汗かいてない人が良かったんだけどなぁ……
そう思いつつ声も出せないほど消耗していた俺はゆっくり目を閉じて意識を闇へと落とした














目を開けるとここ1ヶ月で見慣れた天井が見えてゆっくり体を起こす
シーンとしていた空間だったが数分経つと扉が開いた音がして目線を向けると甚八兄さんがカップ麺を持って入ってきた


「起きたか、おはよう」

「起きた、おはよう」

「有言実行、お前の自尊心を信用したおかげで勝てた試合だった」


椅子に座りズルズルと音を立ててカップ麺を食べ出す兄さんはさながらリスのようで、そんな姿を無言で見つめていると半分ほど食べ終わった甚八兄さんが箸で俺を指し


「今のサッカーをどう思う?」

「…………今までサッカーなんて中高の6年間ただやって終わるものだと信じて疑わなかったけど、今回で少し変わった

サッカーって案外楽しいかも」


ニヤリと笑った甚八兄さんは「100点」と残りを書き込み俺の頭を乱雑に撫で回す


「あとはその引っ込み思案の性格を治すだけだな
それは追々として今は存分に褒めてやる、来い」


頭から手を離し両手を広げた甚八兄さんに俺は反射で飛びつく
現役から引退して数年経った今でも体幹がそのままの兄さんは俺を抱きしめ今度は優しく頭を撫でた

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蓮夜 - 最高でした。お疲れ様です。終わり方も好きすぎてヤバイ!! (5月22日 12時) (レス) @page30 id: 433cf63c41 (このIDを非表示/違反報告)
まつぼっくり(プロフ) - そっそれなです、いつまでも待たしてもらいます (2023年3月22日 19時) (レス) @page21 id: af73d329dc (このIDを非表示/違反報告)
四季神零姫(プロフ) - はっ早く続きをください(吐血) (2023年3月22日 2時) (レス) @page14 id: 67f3734aca (このIDを非表示/違反報告)
四季神零姫(プロフ) - 何度も読み返してます。これからも、更新頑張ってください! (2023年3月14日 15時) (レス) @page14 id: 67f3734aca (このIDを非表示/違反報告)
天使。 - 続編おめでとうございます!!前作を猛スピードで全話見て続編まで辿り着きました!!手が止まらないくらいとても面白いです!!見てて心がドキドキというかワクワクしました!!体調に気をつけて、更新楽しみに待っています!! (2023年2月27日 12時) (レス) @page12 id: 68ee57cead (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水菜目 | 作成日時:2023年2月26日 11時

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