ヨナ姫の身代わり

10話 ページ10

それから数日が過ぎて体もすっかり良くなった私はユンに薬草を教えていた


「これは普通に使えば毒だけどこれと、これを合わせることによって薬になるの」

「へぇ……これは？」

「これ…食べれるよ
血量を良くするらしい」


見せられる薬草を説明しているとユンは


「Aは物知りだね
俺が見ていた世界はまだ狭い」

「……ユンは物覚えがいいわ
そのうち私が知っている事を全部覚えそうで怖いもの
私の居場所がなくなるのも時間の問題ね……」


シーンと静まった空間


「!!ごめんね、変な事言って果物とってくる!!」


いたたまれない空気になり私はその場から走って逃げた





「ユンから逃げて来ちゃった……ん？………!!ユン!!」


倒れている二人気になり近づいて見ると予想外の人達で私はユンを呼びに走った









手当てをして私はもう1度果物を採りに出かけた


「……お母様には使うなと言われたこの力……役に立てば良いのだけれど」


小さい頃から私が歌を歌えば治らないと言われていた病気が治り、傷が癒えた

私が生まれてすぐ、お母様は声が徐々に出なくなり最後は＿＿＿＿





命からがら村から逃げ出した私は知らない街を歩いていると1人の兵士に捕えられ緋龍城に連れていかれ、そこでヨナ姫達と出会った
そして今に至るわけだけど


私がこの能力を使ったのは2回だけ

1回はヨナ姫が木から落ち怪我をした時、もうひとつはイル陛下の手の怪我



果物を両手いっぱいに持ちユン達の住んでいる場所に戻ってきた


「……ユン…あ、イクスもごめんなさい少し席を外してくれる？」

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