33話 ページ32
貴女「……」
目の前には所々破壊しているフィールドとその真ん中で倒れている轟殿の姿
彼は結局「使ってはくれなかった」
「轟君戦闘不能!!!!
決勝進出は藤丸立香君!!!!」
歓声が上がる中私は彼にゆっくり近づき側で膝をつく
貴女「どうして…使わなかったのですか？」
轟「…」
頑なに話そうとしない彼にため息を吐いて
貴女「話したくないことも、それが理由で使いたくない理由も何となく分かりますが……
力を十分に出さないのは相手を侮辱しているのと一緒です」
「自分はそんなつもりないでしょうが」
そう言い残し私は霊体化して主様のへと戻った
ぐだ男「…A？」
貴女「…なんでしょう」
ぐだ男「今の自分の顔みてみてよ」
控え室では向かい側に座る主様が私の顔をのぞき込みながらそう言った
貴女「……申し訳ございません
なんか…こう……無償にイライラしてまして…」
ぐだ男「轟君の事？」
貴女「…まぁ
私も大人気無いですね…そこ数十年しか生きていない子供に腹をたてるなど…」
ぐだ男「…轟君なりの思いや考えがあったんだよ
だから…ね？
辛そうな顔しないで…」
私の頬に主様の手が触れ目が合う
暖かいその手を包むように触れると主様は微笑んだ
貴女「…chu」
ぐだ男「えっ…へ？」
貴女「時間ですね」
席を立ち部屋から出ようとして足を止める
顔を赤く染めた主様は口をパクパクさせていてとても可愛らしかった
ぐだ男「〜っ!!マスターをからかうなっ!!」
貴女「すみません…愛らしいかったので…つい……」
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作者名：水菜目
| 作成日時：2018年9月16日 14時
