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それから数日後のこと。
Aが旧校舎の女子トイレに訪れると、男子生徒と衝突し額を真っ赤にした寧々が泣きついてきた。
「Aーーー!!全然上手くいかないのっ!」
『寧々ちゃん...変な人って話題になってるよ...』
寧々と同じクラスであるAは先輩に対しての奇行を散々目撃している。
可哀想な寧々を労るため、ヒリヒリと痛みそうなおでこに冷やすものを当てた。
(おー、Aー!!ひさしぶりー!)
『こんにちは、花子さん』
「久しぶりって...花子さんAに姿が見えないからって授業中とかずっとくっついてたじゃない」
『じゃあ、あの授業中の覚えのない落書きも花子さん...?!』
(えー?知らないよぉ俺)
花子さんはとぼけたようにメモ帳に書き、Aの首に手を回した。
【俺らは一緒にいなきゃいけないから。しょーがないの】
『?』
「もー、変なことばっかり...ていうか、お化けのくせに普通のものしか出さないしやり方が健全すぎるし...」
【俺ってケンゼンな花子さんだから】
「初心者なだけでしょ!!」
『ね、寧々ちゃん...よく分かんないけど落ち着いてー』
寧々は猫のように威嚇しながら花子さんに詰め寄る。
寧々の迫力に怯えた花子さんは慌ててポケットを漁り始めた。
【えーとえーと...あった!】
はい、と花子さんが掴んだものを差し出す。
『なんでこけし...』
(ちょっとえろい)
「ふんっ!!」
【あーーー】
花子さんの言葉に嫌気が差したのか、寧々はこけしを引っ掴んで思いっきり窓の外に投げた。
花子さんは窓から身を乗り出し、飛んでいくこけしを眺める。
『散らかしたなあ...ん?』
床に散乱した花子さんの道具を見るとAは小さな巾着袋が人魂によって動いているのを見つけた。
Aにはひとりでに動いているように見えるのだが今更驚かない。
『ねえ、これなんだろ』
「ん?んー...」
寧々が袋から中身を取り出すと、歪なおはじきのようなものが出てくる。
それは窓からの光に照らされてキラキラと光っていた。
「聞いてみよっか。花子さんこれなーに?」
【それは縁結びの...】
「縁結び?」
【ヤシロ、それはダメ。返して...】
寧々に聞かれて思わず返事をした花子さんは、自分の失言に気づいてハッとする。
手を伸ばした時には寧々が口に入れてしまっていた。
『寧々ちゃん?!』
【あーーー!!】
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ミク(プロフ) - お気に入り登録しました、がんばってください (2020年5月23日 14時) (レス) id: 1e828f9e08 (このIDを非表示/違反報告)
はの(プロフ) - フレアさん» コメントありがとうございます。更新楽しみにしてくださっていること、とても嬉しいです!今後の展開も見守って頂けたらと思います。更新無理せず頑張りますね。 (2019年3月29日 0時) (レス) id: f5fc6d41da (このIDを非表示/違反報告)
フレア(プロフ) - いつも更新楽しみにしています。今後もはのさんのペースを守って無理せず頑張って下さい!これからも応援してます! (2019年3月28日 23時) (レス) id: ed111eeb0b (このIDを非表示/違反報告)
はの(プロフ) - リンさん» コメントありがとうございます!頑張りますね。今後もよろしくお願いします! (2019年3月28日 23時) (レス) id: f5fc6d41da (このIDを非表示/違反報告)
リン - 更新楽しみにしています! (2019年3月28日 21時) (レス) id: 6c09da8abb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はの | 作成日時:2019年3月18日 16時