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『う...いたた......生き、てる...?』


ゆっくりと目を開ける。
真っ赤な夕焼けが眩しい。

身体を起こして周りを見ると、静かで穏やかな場所で、今までのミサキ階段と随分雰囲気が違った。

勿怪達がAの制服を引っ張る。


『ん、どうしたの?』


【あいつしんでる】【しんでる】


勿怪達の言うところをみると、いつから居たのか、寧々が勿怪に囲まれて仰向けに倒れていた。


『ね、寧々ちゃん?!』


「死......んでない.....?」


Aは目覚めた寧々のところに駆け寄る。


「A...よかった、無事だったんだ」


『うん、元気だよ。花くんに依り代のこと頼まれた?』


「...あ、そうだ!依代!早く探さない...とっ!?」


『わ、いきなり走ると危な...』


寧々が起き上がって慌てて走り出す。

すると、置いてある机のようなものを蹴りあげてしまった。
倒れた机からノートやら紙やらが散らばる。


『だ、大丈夫?』


「んー...ごめん...これなんだろ」


二人が辺りに散乱したものを見ると表紙に"秘"と書かれたあからさまに怪しいノートを見つけた。

寧々とAは目を見合わせて頷き、そっとノートを開く。


(きょうわ せいとお おどかした たのしいかった)

(やめましょう。 岬)


『ミサキ...』


乱雑な字で書かれた日記に丁寧な字で添削が施されている。
添削をした人物は"岬"という名前だ。

ひとつひとつページを捲り、日記の中から手がかりを探そうとする。時が流れるたび日記の書き方や字は上達していった。


「あ、写真だ」


(きょうはミサキとほかのこと「しゃしん」をとりました。)


写真には一人の教師らしき男の人と数人の子供達が写っている。


『ミサキって...男の人だったんだ』


「うん...じゃああの上にいた人は誰...?」


『もうちょっと見てみよっか』


さらにページを捲る。


(ミサキにかみ切りばさみをもらいました。ほかのこはもらってなくてあたしだけもらいました。

ミサキはあたしのことが大好きです。はさみはほこらにだいじにいれておいてあげます。)

(良かったですね。 岬)


「はっ、もしかしてこの子...!!」


『何か分かったの?』


日記を読んだ寧々が何かを閃いた。

Aが期待して聞き返すと寧々はうっとりした表情で言う。


「この子、先生が好きなのね!」


『...寧々ちゃん......』

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ミク(プロフ) - お気に入り登録しました、がんばってください (2020年5月23日 14時) (レス) id: 1e828f9e08 (このIDを非表示/違反報告)
はの(プロフ) - フレアさん» コメントありがとうございます。更新楽しみにしてくださっていること、とても嬉しいです!今後の展開も見守って頂けたらと思います。更新無理せず頑張りますね。 (2019年3月29日 0時) (レス) id: f5fc6d41da (このIDを非表示/違反報告)
フレア(プロフ) - いつも更新楽しみにしています。今後もはのさんのペースを守って無理せず頑張って下さい!これからも応援してます! (2019年3月28日 23時) (レス) id: ed111eeb0b (このIDを非表示/違反報告)
はの(プロフ) - リンさん» コメントありがとうございます!頑張りますね。今後もよろしくお願いします! (2019年3月28日 23時) (レス) id: f5fc6d41da (このIDを非表示/違反報告)
リン - 更新楽しみにしています! (2019年3月28日 21時) (レス) id: 6c09da8abb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はの | 作成日時:2019年3月18日 16時

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