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【そんな顔すんなってぇ】


花子くんが半泣きで俯く寧々の顔を頬を持って上に上げさせる。


【大丈夫。ちゃんと助けるさ】

【俺は七不思議の七番目、ヒトと怪異の関係を正しく保つ義務がある】

【もちろん。ヤシロにも手伝ってもらうけどね】


「花子くん...」


【ヨーシヨシヨシ】


「オラァ!!!」


花子くんが寧々の頭を撫でる。
光はそんな二人の空気に耐えられなくなって間に割り込んだ。


「テメー先輩を境界に連れてくつもりだろ!」


【そーだけど】


光が寧々の前に立ち、花子くんを指さす。


「オレも行くぞ!!先輩は俺が守る!!」


【いーけど、少年は俺の助手じゃないし守ってあげないよ?】


「テメーの助けなんて借りっかよ!!」


【肉片になっても知らないよ】


花子くんが光に顔を近づけて、にんまり笑って言った。


「にっ...じょっ...上等だオラァ!!」【アハハ】


「もー...」


じゃれ合いを始める男子二人をみて寧々は溜息をつく。
いつもならいるはずのAがいないので、寧々は胸にぽっかりと穴が空いている感じがした。

昨日、三人で水やりをしていた時のことを思い出す。


(A、葵...きっと助けてあげるからね)




「な...」


件のB階段にやってきた三人は、上から滴り落ちる血のようなものを眺めて立ち尽くした。

寧々と光は真っ青な顔で呆然としている。


「なに...これ...」


血溜まりを前に平然とする花子くんは、しばらく階段を眺めるとすぐに歩き出した。


【じゃ...行こうか。四段目を踏むんだっけ?】

【せーのっ】

【いーち】


階段を一歩登る度、寧々の心拍数が上がる。


【にーい】

【さーん...し!】


恐怖に寧々は思わず目を瞑った。

ぱちゃん、と水の跳ねる音がする。


そっと目を開けると、目の前には鳥居と長い長い階段がそびえていた。



「ここが...」


【ミサキ階段ね。随分好き勝手してくれてんじゃん】

【安否は別として...居なくなった生徒もみんなこのどこかに居るはずだよ】


三人がゆっくりと階段を登ろうとした瞬間、階段の上から誰かの声がした。


『その声...花くん...!?』

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ミク(プロフ) - お気に入り登録しました、がんばってください (2020年5月23日 14時) (レス) id: 1e828f9e08 (このIDを非表示/違反報告)
はの(プロフ) - フレアさん» コメントありがとうございます。更新楽しみにしてくださっていること、とても嬉しいです!今後の展開も見守って頂けたらと思います。更新無理せず頑張りますね。 (2019年3月29日 0時) (レス) id: f5fc6d41da (このIDを非表示/違反報告)
フレア(プロフ) - いつも更新楽しみにしています。今後もはのさんのペースを守って無理せず頑張って下さい!これからも応援してます! (2019年3月28日 23時) (レス) id: ed111eeb0b (このIDを非表示/違反報告)
はの(プロフ) - リンさん» コメントありがとうございます!頑張りますね。今後もよろしくお願いします! (2019年3月28日 23時) (レス) id: f5fc6d41da (このIDを非表示/違反報告)
リン - 更新楽しみにしています! (2019年3月28日 21時) (レス) id: 6c09da8abb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はの | 作成日時:2019年3月18日 16時

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