17 ページ19
「その通り！随分と詳しいじゃねえか…」
ふふん、と得意気に笑って光は続けて言う。
「ご先祖様が後の世のために遺した強力な退魔具」
「それを受け継ぎテメーみてぇなタチの悪ぃ怪異どもから人々を守る」
「それが源家に生まれた男子の役目！」
光が花子くんに向かってびしっと退魔具を掲げた。
「つーわけでオレはお前を祓う！！」
「覚悟しやがれ花子！！」
刹那、光が飛び上がり花子くんに向かって退魔具を振り下ろした。
花子くんの肩に退魔具が強く当たる。
【"祓う"ねぇ…君には無理だと思うけど？】
花子くんは余裕そうに言う。
それに対して光はにやりと笑みを返した。
「そうか？」
退魔具が雷が走ったかのようにぴかっと光る。
それを握っていた花子くんの手がバチッと弾け飛んだ。
「残念だったなァ花子」
【...ッッ！！】
『花くん...！！』
雷はバチバチと音を立てながら全身を感電していく。
倒れ込みそうな花子くんをAはすんでのところで支えた。
『ッ...いったッ』
「は？！アンタ、何して...」
バチッ、と自分にも雷が感電する。
光は思いもよらない人間の介入に動揺していた。
【...なに、してんのッ......はな、して】
「花子くん！A！！」
二人のもとに寧々も走りよってくる。
「退かないとアンタも当たるんだぞ！？」
『絶対退かない！！』
雷の痛みがAの全身を巡る。
痛いけど精一杯抵抗した。
「早く退けって...」
「やめて！」
Aと花子くんを引き離すべくずかずかと近寄ってきた光の前に寧々が飛び出した。
二人を庇うように前に立ち、光を睨みつける。
光は寧々に当たりそうになった退魔具を咄嗟に引っ込めた。
「バッカ野郎！急に飛び出してくんじゃねぇ........です...」
寧々を指さして文句をつけようとしたが、突然顔を赤くしてへにゃりとした態度になる。
「あの、あなたは...」
「高等部一年八尋寧々、こっちは須田A。花子くんの助手でお友達！」
へらへらする光に対して寧々はぷんすかと怒った。
「これ以上花子くん達にひどいことするなら私怒るんだからね！」
「えっ...いやでもアイツは超悪い怪異で...そっちの方が怪我したのは…すみません」
「そのぉ...学園の平和のためにも祓っとかないとっつーか…」
「花子くんは悪い怪異じゃないよ。私のことだって助けてくれたんだから！」
「それは違ッ...います！！」
光は反論する寧々の肩を掴んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 85人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミク(プロフ) - お気に入り登録しました、がんばってください (2020年5月23日 14時) (
レス) id: 1e828f9e08 (このIDを非表示/違反報告)
はの(プロフ) - フレアさん» コメントありがとうございます。更新楽しみにしてくださっていること、とても嬉しいです！今後の展開も見守って頂けたらと思います。更新無理せず頑張りますね。 (2019年3月29日 0時) (レス) id: f5fc6d41da (このIDを非表示/違反報告)
フレア(プロフ) - いつも更新楽しみにしています。今後もはのさんのペースを守って無理せず頑張って下さい！これからも応援してます！ (2019年3月28日 23時) (レス) id: ed111eeb0b (このIDを非表示/違反報告)
はの(プロフ) - リンさん» コメントありがとうございます！頑張りますね。今後もよろしくお願いします！ (2019年3月28日 23時) (レス) id: f5fc6d41da (このIDを非表示/違反報告)
リン - 更新楽しみにしています！ (2019年3月28日 21時) (レス) id: 6c09da8abb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はの | 作成日時：2019年3月18日 16時
