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『私の鞄だ...』
白杖代が連れてきた場所。
廊下の真ん中であるそこにはAの鞄がぽつんと置いてあった。
『白杖代...さん。探してくれたの?』
そう聞くと白杖代は頷くような動きをする。
感情表現が豊かでAはなんだか微笑ましく感じた。
『ありがとう。早く教室戻らないとね』
鞄が見つかったのはいいけれど廊下は人気がないせいか酷く不気味に感じる。
教室に戻るため、立ち上がって引き返そうとする。
するとAの鞄があった先にもぽつん、ぽつんと何かが落ちていることに気づいた。
『タオルに、お弁当箱...ハニワ?ハニ太郎だっけ。あとは...』
『あ!寧々ちゃんのブローチ...なんでこんなところに?』
辿っていけばいくほど最近みんなが失くしたものが落ちていることに気付く。
白杖代はAがどんどん進んでいってしまうのを心配そうに見守っていた。
ガサ...ゴソゴソ...
Aが廊下の角に近づくとその奥の部屋から物音が聞こえるのに気付く。
白杖代と顔を見合わせ不思議思って覗き込むとぎょろり、と何かの大きな目がAを捉えた。
【み た な】
『...え』
気づいた時にはもう遅く、右手がその何かに掴まれてしまった。
ものすごい力でずるずるとAを自らの場所に引きずり込もうとする。
『や、やめて、やだ...』
【蹴散らせ白杖代!!】
もう駄目だ、Aがそう思った瞬間に目の前が大きな音を立てて激しく光った。
驚きでしゃがみこみ目を瞑るAの頭に、誰かがぽんと手を乗せる。
【Aはほーんと怪異によく好かれるんだから。ダメだよ気をつけなくちゃ】
ゆっくり目を開くと花子さんが優しくAの頭を撫でていた。
『...花子さん』
【.....ヒトなんてカンタンに死んじゃうんだからさ。よく分かってるでしょ】
Aを見て、泣きそうな笑顔で告げる花子さんにAは思わず手を伸ばす。
「Aーーっ!!」
その瞬間、寧々の大声が聞こえてびくりとしたAは手を引っこめた。
「はぁ、はぁ...花子さん早すぎ...大丈夫?怪異に襲われてるって聞...いたっ」
『う、うさぎ?』
寧々の頭に上から落ちてきたなにかが直撃する。
落ちてきたそれをよくみると気絶したうさぎのような生き物だった。
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ミク(プロフ) - お気に入り登録しました、がんばってください (2020年5月23日 14時) (レス) id: 1e828f9e08 (このIDを非表示/違反報告)
はの(プロフ) - フレアさん» コメントありがとうございます。更新楽しみにしてくださっていること、とても嬉しいです!今後の展開も見守って頂けたらと思います。更新無理せず頑張りますね。 (2019年3月29日 0時) (レス) id: f5fc6d41da (このIDを非表示/違反報告)
フレア(プロフ) - いつも更新楽しみにしています。今後もはのさんのペースを守って無理せず頑張って下さい!これからも応援してます! (2019年3月28日 23時) (レス) id: ed111eeb0b (このIDを非表示/違反報告)
はの(プロフ) - リンさん» コメントありがとうございます!頑張りますね。今後もよろしくお願いします! (2019年3月28日 23時) (レス) id: f5fc6d41da (このIDを非表示/違反報告)
リン - 更新楽しみにしています! (2019年3月28日 21時) (レス) id: 6c09da8abb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はの | 作成日時:2019年3月18日 16時