百一話 ページ4
-No side-
ここはライブラ。
たとえ守護天使がいなくとも、"以前と同じように"仕事が回る。
はずだった。
ス「おい、報告書はまだか?」
ザ「だからぁ、ごめんってサリーちゃん」
ク「‥また負けてしまった‥」
スカーフェイスは連続する出張により疲労困憊な上に報告書が回ってこない。
電話の向こうに女性を構え、身を低くする色黒男。
PCに向かって厳つい表情を浮かべる頭。
それを崩すかのように、義眼の少年が生き生きとした表情でメインルームに入ってきた。
レ「あれ、どうかしたんすか?皆さん」
ザ「おおっしゃレオ!ちょーっとばかし早いが昼飯行くぞ!」
義眼の少年はあっさりと電話を終えた色黒男に連れていかれる羽目に合ってしまった。
ス「‥病院、か?」
ク「恐らくそうだろう。昨日は私も様子を見に行ったが、ちゃんとした足取りだった。スティーブンは行かないのかね?」
クラウスの問いに、スティーブンは少しだけ肩を揺らした。
ス「‥暇ができたら、行くことにするよ」
スティーブンは表情を詳しくクラウスに見せることなく、自席へと向かっていった。
________
-main side-
ル「や、おはよう」
「あ‥ルシアナ‥」
ル「君が言いたいことは粗方わかっているつもりだよ」
彼女はため息混じりに私に近づく。
辺りに撒き散らされた白い羽を、一枚拾い上げて、言葉を紡いだ。
ル「あまり酷使すると、飛べなくなるよ。せっかく良いニュースを持ってきたのに」
ルシアナは本来の姿に戻り、へたりこんだ私の頭を撫でた。
ル「君は今日の検査次第で退院だよ。あと30分ほどすれば分かるけどね」
「で、でも、まだちゃんと飛べないし‥」
背中の羽をしまい、私は俯いた。
未だに巻かれている首の包帯に、触れて、口をつぐんだ。
ル「残念ながら、羽としては異常はない。だから、データ的には飛べるはずなんだよ。多分、ココの問題かな」
私の胸元をつついた。
その指が、私の奥を動かした感じがした。
「私は________________」
刹那、突風が吹いた。
辺りに撒き散らされた羽は、風に運ばれ、街へと連れて行かれる。
ル「‥掃除の手間が省けたね。ほら、なかに戻ろうか」
既に分裂済みのルシアナの手を取って、私は病室に戻っていった。
40人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アンネ - 主ちゃんの心とかスティーブンさんの想いとかがとてもわかりやすくて面白かったです!これからも活動頑張ってください! (2019年3月9日 17時) (レス) id: 67a1c3a937 (このIDを非表示/違反報告)
鈴巴 - 主ちゃんが仲間と一緒にいて少しずつ、でも大きく成長していくのが読んでいてとても楽しかったです!これからも活動頑張って下さい!(^▽^)/ (2018年6月16日 22時) (レス) id: ad3d79f394 (このIDを非表示/違反報告)
ししょー(プロフ) - 心の雨と虹の空@現在低浮上ぎみさん» ご指摘ありがとうございます。大変失礼しました。 (2018年2月9日 21時) (レス) id: 23ac3f6a39 (このIDを非表示/違反報告)
心の雨と虹の空@現在低浮上ぎみ(プロフ) - オリジナルフラグ、外してください。 (2018年2月9日 20時) (レス) id: 469d2368ce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ししょー | 作成日時:2018年2月9日 20時