百七話 ページ10
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「私は、苦しくなんかないよ‥?」
答え、間違えたかな。
スティーブンはその場に立ち上がって私に怒った。
いつもの怒るのとは、違う。
だって、スティーブン泣いてたもん。
ス「今だってそうだ!
俺の氷上に、裸足で、指先を真っ赤にして、息だって白くて、寒いのに、
病み上がりで直ぐに任務に加わろうとするし、
いつも、自分を、犠牲にする‥」
スティーブンが滴を氷上に落とす。
私は白い息混じりに応える。
「そんなことない!!
全然冷たくなんかない!
スティーブンの氷はいつも温かいし、寒くなんてない!
天使だから回復は早いし、歩けるし、走れるし、声だって使える。
空だって、今は飛べないけど、練習すればきっとちゃんと飛べるようになる。
だって、私だってライブラの一員だよ?
みんなが、頑張ってるのに‥
私だけ、一人ぼっちは‥嫌なの‥」
ぽろぽろと滴が溢れる。
どうしよ、とまんないな。
「私、皆と一緒にいたいの。
楽しいのも、面白いのも、辛いのも、苦しいのも、痛いのも、全部全部‥
皆と一緒にいたいからっ、だから‥だから」
一歩、二歩、彼に歩み寄る。
ゆっくりと、両手を広げて彼に手を回す。
「‥一人ぼっちに、しないで‥」
透金色の滴が氷上に落ちた。
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アンネ - 主ちゃんの心とかスティーブンさんの想いとかがとてもわかりやすくて面白かったです!これからも活動頑張ってください! (2019年3月9日 17時) (レス) id: 67a1c3a937 (このIDを非表示/違反報告)
鈴巴 - 主ちゃんが仲間と一緒にいて少しずつ、でも大きく成長していくのが読んでいてとても楽しかったです!これからも活動頑張って下さい!(^▽^)/ (2018年6月16日 22時) (レス) id: ad3d79f394 (このIDを非表示/違反報告)
ししょー(プロフ) - 心の雨と虹の空@現在低浮上ぎみさん» ご指摘ありがとうございます。大変失礼しました。 (2018年2月9日 21時) (レス) id: 23ac3f6a39 (このIDを非表示/違反報告)
心の雨と虹の空@現在低浮上ぎみ(プロフ) - オリジナルフラグ、外してください。 (2018年2月9日 20時) (レス) id: 469d2368ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ししょー | 作成日時:2018年2月9日 20時