百九話 ページ12
-スティーブン side-
苦しくないよ、何て君は言った。
初めて君を見たときから、どこか掴みきれなかった君は、苦しくないと言った。
何で見せてくれないんだ。
何で隠そうとするんだ。
ス「どうして君はっ!‥いつも、自分を‥」
君は肩を揺らした。
僕は肩を震わせて、
ス「‥自分を、犠牲にするんだ‥」
氷の上に滴が落ちた。
自分のものだと、後から気づいた。
「________そんなことない!!
私だって、ライブラの一員だよ?
みんなが、みんなが頑張ってるのに‥
私だけ、一人ぼっちは‥嫌なの‥」
滲む視界に、泣きっ面の君が写る。
すまない、悪かった。
ごめん。
「‥一人ぼっちに、しないで‥」
近づいて、抱きついて、
小さなその体に、僕は包まれた。
抱き返していいものか、両手が空を掻く。
ス「‥御免、すまなかった‥
もう、一人にはさせない。僕は、僕らは、君と一緒だ」
小さな体を、目一杯抱き締めた。
君は少し苦しそうだけど、僕はこれじゃ足りないんだ。
「スティー、ブン‥くるしい‥」
ス「‥A」
抱き締めるのを少し緩めて、一緒に後ろに座り込んだ。
目線が同じくらいになって、お互いに涙痕を残してて。
「‥わかって、くれた‥?」
ス「あぁ、勿論。君には完敗だ」
透金色の瞳が、こちらを見る。
ス「‥A、僕は、君を信じるよ」
完敗だ。
恐らく、ここで一番強いのは君だ。
改めて、謝礼を込めて抱き締めた。
「‥うん!」
仮眠室の氷は、溶け始めていた。
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アンネ - 主ちゃんの心とかスティーブンさんの想いとかがとてもわかりやすくて面白かったです!これからも活動頑張ってください! (2019年3月9日 17時) (レス) id: 67a1c3a937 (このIDを非表示/違反報告)
鈴巴 - 主ちゃんが仲間と一緒にいて少しずつ、でも大きく成長していくのが読んでいてとても楽しかったです!これからも活動頑張って下さい!(^▽^)/ (2018年6月16日 22時) (レス) id: ad3d79f394 (このIDを非表示/違反報告)
ししょー(プロフ) - 心の雨と虹の空@現在低浮上ぎみさん» ご指摘ありがとうございます。大変失礼しました。 (2018年2月9日 21時) (レス) id: 23ac3f6a39 (このIDを非表示/違反報告)
心の雨と虹の空@現在低浮上ぎみ(プロフ) - オリジナルフラグ、外してください。 (2018年2月9日 20時) (レス) id: 469d2368ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ししょー | 作成日時:2018年2月9日 20時