九十八話 ページ1
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カミサマ、泣かないで。
私はちゃんとここにいるから。
要らないなんて言ってごめんなさい。
「わたしは‥あなたを‥」
手を伸ばし、うっすらと瞼を開けた。
白く光が目に刺さる。
数回瞬きをして、視界を調節する。
病院か。
「あの戦いは、無事に終わったのね‥」
声が籠っている。酸素マスクがつけられているのが分かった。
首を左右に、上下に動かし、自らを確認する。
付けられているのは酸素マスクだけ。
それと首には包帯。
ル「やぁ、目覚めたかな?」
「ルシアナ‥」
左を向いて、分裂した女医を見る。
私を触診して、端末でどこかへ電話する。
粗方予想はつくさ。
ル「よし、キミの"勤務先"には連絡しておいたよ。それと‥」
次にルシアナが言うことは分かっていた。
ちゃんと、分かっていた。
「リハビリ、いるんでしょ」
ルシアナは少しばかり目を大きくさせ、肯定した。
私は今、一人で街を歩けない状態にあった。
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一番始めにお見舞いに来たのは、ツェッドだった。
ツ「こんにちは、Aさん」
「Hi、ツェッド。貴方が最初にお見舞いにきてくれたわ」
リハビリは明日から。
ベッドの背を少し上げて、ツェッドに軽く手をあげる。
ツ「体の方は、大丈夫ですか?」
「うん、一応はね。明日からリハビリしなくちゃだけど」
はは、と苦笑いを浮かべると、ツェッドは暗い表情を浮かべた。
当然のことだ。
「気にしないで、とは言いきれないけど、私は大丈夫だから。ね」
ツェッドの手を握って、微笑んでやった。
闘いが終わって四日目。
今日はそれで日が沈んだ。
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アンネ - 主ちゃんの心とかスティーブンさんの想いとかがとてもわかりやすくて面白かったです!これからも活動頑張ってください! (2019年3月9日 17時) (レス) id: 67a1c3a937 (このIDを非表示/違反報告)
鈴巴 - 主ちゃんが仲間と一緒にいて少しずつ、でも大きく成長していくのが読んでいてとても楽しかったです!これからも活動頑張って下さい!(^▽^)/ (2018年6月16日 22時) (レス) id: ad3d79f394 (このIDを非表示/違反報告)
ししょー(プロフ) - 心の雨と虹の空@現在低浮上ぎみさん» ご指摘ありがとうございます。大変失礼しました。 (2018年2月9日 21時) (レス) id: 23ac3f6a39 (このIDを非表示/違反報告)
心の雨と虹の空@現在低浮上ぎみ(プロフ) - オリジナルフラグ、外してください。 (2018年2月9日 20時) (レス) id: 469d2368ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ししょー | 作成日時:2018年2月9日 20時