八十一話 ページ34
-ザップ side-
Aに あーん を強要されて食べたパンケーキは、人生で食べたことないほど旨かった。
隠してたのが馬鹿らしくなってきた。
だが今の顔を見られるわけにはいかない。
恥ずかしいのと感動と愛しさと。
じんわりとハチミツの甘さが広がった。
「ザップ、そっちの頂戴?」
俺の前にある、パンケーキを指差した。
少してを伸ばせば届くってのに、わざわざこんなことを言うのは、さっきのお返しをしてくれってことだ。
ザ「ほら」
「いただきまぁーす」
口端にチョコレートを残して、Aはパンケーキを含んだ。
それを拭ってやると、Aは頬を赤くして、また微笑む。
「おいし」
ザ「Aが作ったんだから、旨いに決まってんだろ」
チョコレートパンケーキを口に運んで、ハチミツとは違った甘さが広がる。
それは俺のくだらないココロの壁を溶かした。
ザ「なぁ、今朝の事だけどよ________」
包み隠さず朝のプチ騒動を話すと、Aは悲しそうな表情をみせた。
「えと、ありがとね、ザップ」
俺が見たいのは悲しい笑顔じゃねぇんだ。
もっと、さっきみたいな笑顔じゃなきゃ。
「ふふ、嬉しいな。ザップにそんなに大事にされてたんだ」
すると、史上最強の笑顔を見せてきた。
そんなに嬉しかったのか。
そうだ。
あの時の気持ちは、"愛しい"だったのか。
それに気づいた俺は、当然だ とカッコつけて答え、残りのパンケーキを頬張った。
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-ツェッド side-
メインルームに入ると、Aと兄弟子がいた。
Aは兄弟子の股に挟まれるように座っており、なんとも仲良しだと思えた。
ツ「美味しそうなパンケーキですね」
「Hi、ツェッド。ツェッドも食べる?」
彼女の言葉に少しだけ兄弟子が不機嫌そうにしたのは勿論気づいている。
だが、ここで断っても悪い方向にしか転がらないような気がする。
ツ「いえ、今は食べてきたばかりで入りそうな余地は無さそうです。また今度、いただくことにします」
ザ「けっ、残念だったな。すっげー美味しいのに」
Aの後ろでふんぞり返っているのを、ため息混じりに受け流す。
それに対して彼女は軽く注意する。
なんとも、この光景は正しく‥
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酒夜月(プロフ) - ししょーさん» だから、困った時は助け合いましょう!分からない事がありましたら私だってししょーさんに聞きますし、答えられる事があったら私だって力になります!だから、いつでも頼ってください!! (2018年1月6日 18時) (レス) id: 5d4c43be81 (このIDを非表示/違反報告)
酒夜月(プロフ) - ししょーさん» いえ、私もししょーさんと同じ夢小説の作者です。同じ作者の人がこんな事を言われていたらフォローしたくなります!!それに、人を助ける事は私にとっては当たり前の事です!!(^_^) (2018年1月6日 18時) (レス) id: 5d4c43be81 (このIDを非表示/違反報告)
ししょー(プロフ) - 酒夜月さん» フォローありがとうございます。今回の事は私の不注意が招いたことなので、あまり心配しなくても大丈夫ですよ。今後ともよろしくお願いしますね。 (2018年1月6日 18時) (レス) id: 23ac3f6a39 (このIDを非表示/違反報告)
ししょー(プロフ) - 、さん» ご指摘ありがとうございます。不快な思いをさせてしまいすみませんでした。今後はより一層の注意を払って投稿しますので、どうぞよろしくお願いします。 (2018年1月6日 18時) (レス) id: 23ac3f6a39 (このIDを非表示/違反報告)
酒夜月(プロフ) - 、さん» それなら私だってそうですし、外し忘れる事だってありますよ?ししょーさんなどの作者さん達は忙しい中…急いで皆さんに待たせないように送ってくれているんですから、多めに見てあげてください…!! (2018年1月6日 16時) (レス) id: 5d4c43be81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ししょー | 作成日時:2018年1月6日 12時