腹の調子には気をつけろ 一 ページ9
東城は南戸から戦況を聞いて、負けてしまった彼の残った皿を割り戦地に赴こうとした。
「東城、僕もいくぞ」
九兵衛が東城に後ろから声をかけた。
「急いでかき集めたゴロツキばかりだと思っていたが、A以外もなかなか手だれのようじゃないか。興味が湧いてきた」
「若が出向くまでも……Aさんは少し厳しいですが他の五人は全て討ち取ってみせます」
「僕が行きたいと言っている。構うな」
「ならばこれに着替えていきましょう。雨が降りそうなので」
九兵衛は東城が甲冑を着せてきて頭に手刀を入れた。
「いい加減にしろ。まだな直らんのかその心配性」
「しかし私は若が幼少の頃より護衛とお世話を仰せつかってきました。失礼ですがカワイクてしゃーないんです。なんとかしてくだされこの気持ち」
「お前はAにもその心配性みせてるだろ」
「彼女は出会って間もないですがカワイイですしどうしても目が離せなくて。色んな意味で心配なんですよ」
東城が話しているとカラスが上からフンを落として
「若ァァあぶないい!!」
「うわっ」
東城が険しい顔つきで勢いよく九兵衛に飛びつき地面に伏せた。
その横にカラスのフンが落ちる。
「この腐れガラスがァァ!!焼き鳥にしてくれるわァァァ!!」
鬼の形相で東城が走って行き、九兵衛は体を起こして頭をさすった。
(Aのことをカワイイ、か……やはり東城も他の者達と同じくAが好きなのか……)
九兵衛はAの笑顔が脳裏に浮かんできて、モヤモヤした気持ちになって立ち上がった。
「そうか、総悟がやられたか。クク……いい気味だ」
厠の横の茂みで、土方は新八と隠れながら戦況を聞いて口角を上げた。
しかし、彼は頭から大量に血を流していて、口にはタバコではなく花火を咥えて、そのまま点火していた。
「土方さん、それタバコじゃないです。どっから持ってきたんですか。しっかりしてください……出血凄いですね。Aさん応急処置の道具取りに行ってくださったんで、それまで止血しないと」
「A一人にして大丈夫だったのか。アイツの強さは知ってるがここは敵地……心配だな」
「いやあの土方さんの方が心配なんですけど」
土方の対決が終わった後、Aは彼の怪我の様子を見て治療道具を取りに新八達とは分かれた。
その間に止血をしておかなといけないのだが、土方は彼女の心配をして新八の言葉を聞いていない。
しかも花火を咥えていることに気づいていない。
腹の調子には気をつけろ ニ→←研ぎ澄まされた剣に泥は似つかない 六 終
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刹那*桜(プロフ) - アイナさん» あけましておめでとうございます!10個目でも見に来てくださって本当に嬉しいです。ありがとうございます! (2023年1月6日 4時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
アイナ(プロフ) - あけましておめでとうございます。そしてシリーズ数二桁突入おめでとうございます。今年もぜひ、夢主ちゃんとお兄様の活躍と銀魂キャラたちの奮闘を拝見させてください! (2023年1月2日 10時) (レス) id: 503469204d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年1月1日 3時