研ぎ澄まされた剣に泥は似つかない 三 ページ5
『ククッ、剣術など元より人を傷つけ殺すためのもの。綺麗事で囲っていてはそのうち腐れ落ちるぞ』
『腐れるだァ?磨き上げられた剣はなァ、そう簡単に腐りゃしねーよ。アイツの剣にはな……てめーらのような泥は似合わねェんだよ!」
浪人が踏み込んできた瞬間、土方は刀を振るって襲いくる浪人を斬り捨てていった
囲まれている状態で四方八方から攻撃が飛んでくる。
かわしいなすも何発かは、かわしきれずに服や肌を斬られてしまった。
路地に剣戟の激しい音が響き渡る。
『はぁ、っはあ……ぬぉらァァ!!』
しばらく斬り合いが続き、土方は息があがりながら敵を叩き飛ばしていく。
破壊音がなり路地の建物が潰れ、最後の一人を斬り倒して路地に座り込んだ。
『っハァ、は……こいつら、ヘタにいろんな奴に指導されてるせいで、剣の動きが読みにくいな、ったく……』
全員を伸したが土方は頭や肩から血を流し、雨に打たれ寒い空気に熱い息を吐き出す。
『!土方さん!!』
『あ?』
土方を探してAが路地に来て、彼を見つけて焦って駆け寄った。
土方は片目を瞑り彼女に眼を向ける。
彼に叩きつけていた雨はAが傘を差して遮断された。
『ちょ、ちょっと土方さん何やってるんですか!』
『ただの喧嘩だ』
『喧嘩って、こんな大怪我負って』
『怪我じゃねーよ』
土方はフッと笑って懐から煙草を出し火をつけて一口吸う。
『三谷デパートの自動ドアにはさまった』
Aに煙が掛からないように顔を背けつつ、紫煙を雨に吹きつけた
「気に食わないな、本当に……」
北大路は川から立ち上がり、うつむいて川に落ちたメガネを手に取る
「喧嘩だ実戦だ、そんな戯言は聞き飽きた。そんなことを叫び道場稽古を軽んじてきた輩を今までたくさん見た」
「俺はそんな輩に、Aさんのあの研ぎ澄まされた剣に触れてほしくはない」
苛立ちが声に乗って流れてくるが、顔に出ないよう奥歯を噛み締めた
「どれだけ才能があろうとどれだけ実戦を踏もうと、努力した者には勝てん。古い考えという者もいるがな」
顔を上げた北大路の眼は「3」になっていた。
《古いよ。デフォルメが古いよ》
近藤と新八、Aはその顔を見て心のなかでツッコんだ。
「いま俺の眼を見て古いと言った奴が古い」
《いやお前の方が古い》
土方が北大路の目を見て口を開いた。
『オイどーいう事だその眼は?なんでケツがついてんだ?』
《お前は古い以前にバカ》
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刹那*桜(プロフ) - アイナさん» あけましておめでとうございます!10個目でも見に来てくださって本当に嬉しいです。ありがとうございます! (2023年1月6日 4時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
アイナ(プロフ) - あけましておめでとうございます。そしてシリーズ数二桁突入おめでとうございます。今年もぜひ、夢主ちゃんとお兄様の活躍と銀魂キャラたちの奮闘を拝見させてください! (2023年1月2日 10時) (レス) id: 503469204d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年1月1日 3時