視線の先に(桃)

33. ページ33

・





____その日の放課後。





部活へ行った後、
教室に 明日提出の課題ノートを忘れたことに 気づいた俺は、日の落ちかけた教室へと向かった。





そこには…





小瀧「あれ、何してるん？」





A「忘れ物、してん」





Aがいて。





小瀧「そか、俺もやねん」







・








ぼーっと席に座っているA。





ぼんやりと黒板を見つめながら





A「なぁ、流星と遼花さ…」





口を開いた。





小瀧「うん」





A「ほんまによかったな、くっついて」





小瀧「ん、そやなぁ」





少しの沈黙。





A「望、？」






小瀧「ん？」





A「…何でもない…」









・








…なんて声をかけたらええんやろか。





…俺にしとけよ、とか？





いや、ちゃうか。





今は そんなん言うタイミングちゃうやろ。

34.→←32.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す