君の視線から ... 3 (ページ6)

今日:43 hit、昨日:29 hit、合計:50,912 hit

106 ページ6

.

私を無視して続けられる
ヒスンへの溢れすぎる愛。

いつまで続くんだろうと
右から左へ受け流していると、

「聞いているのですか！？」
と怒鳴られる。

理不尽さを感じながら視線を戻すと、
怒りで顔を赤くしていた。

「私達はヒスン様を第一に想い、
　決して邪魔にはならぬよう努めてきました。

　でも口を出さずにはいられないの。
　あの空気を読まない脳内花畑女よりは
　比べるまでもなくマシであることは認めるわ」

脳内花畑女とは随分な言われようであるが、
私もハナに関しては否定しない。

「けれど、やはりヒスン様にはもっと
　相応しい方がいらっしゃると思うのよ！」

彼女達の気持ちは分からないでもなかった。

好きな人に彼女ができればショックだろう。

けれど、それを決めるのはヒスンであり、
ヒスンと二人で決めたことを
他人にとやかく言われたくはない。

「話はそれで終わりですか？」

あまりにドライな反応に、会長はたじろぐ。

もっと泣くか怒るかするとでも
思ったのかもしれない。

「なっ！
　それだっけって、
　全然伝わっていないじゃない！」

「伝わっていますよ。
　ようは、ヒスンは神で、
　皆さんはそんなヒスンの
　敬虔な信者ってことですよね？」

「ま、間違ってはいないけれど、
　私達が言いたいのは
　そういうことではないのよ！」

「……ここで一つ提案があります」

再び口撃が始まりそうなところで、
先制パンチを入れた。

「なによ」

「ぜひ、私と友達になって下さい」

にっこりと、会心の笑み浮かべてみせる。

「はぁ！？何を言ってるの、あなた！」

「頭可笑しいんじゃないの？」

「友達になんかなるわけないでしょう！」

酷い言われようだが、意志を曲げない。

本題はここからだ。

.