君の視線から ... 3 (ページ12)

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ソアやクラスの女の子は
少し離れて様子を見ている。

そんな中でハナが発した言葉は…

「ヒスンを返して！」

「は？」

「ヒスンを返してって言ったの！」

何を言うのかと思えば
唖然としてしまった。

「Aちゃんは他の男の子からも
　人気があるんだから、
　別にヒスンじゃなくてもいいでしょう？
　だから、ヒスンと別れて。私に返して」

頭痛を覚えると同時に、
そのハナの言い草にカチンときた。

「嫌よ」

単純明快に、
ハナでも分かるように一言で拒否を示した。

すると、ハナは驚いた顔をする。
　

「どうして！？」

「どうして？
　そんなことも分からないの？
　そもそもなんの権利があって
　私にそんなことを言うの？」

「権利って…
　私はずっとヒスンといたの。
　ヒスンと一番仲が良いのは私だから、
　だから…」

誰が見ても仲が良いようには見えないが、
それを言ったところで
ハナは聞く耳を持たないだろう。

なにせ人一倍思い込みが激しいから。

「たとえ仲が良かったとして、
　あなたはヒスンの何？」

「何って、仲の良い…」

「仲の良い何？友人？同級生？
　どっちにしても、
　付き合ってるのは私とヒスンの意思。
　そこに他人が口を挟むべきことではないよ」

「わ、私はヒスンのために言ってるの」

「さっき返せとか言ってたじゃない。
　ヒスンを私にって」

「だって、
　ヒスンの一番側にいたのは私なの。
　それなのに突然Aちゃんが現れて
　ヒスンを取っていくなんて、そんなの酷い！」

話を聞いていたソアが
目をつり上げて来ようとしたが、
首を横に振って制止した。

ソアは不服そうにしたものの、
私の意思を尊重して傍観者に徹してくれた。

「酷いも何も、ヒスンは元々
　あなたのものではないないでしょう？
　恋人だったの？違うでしょう？」

「ち、違うけど、
　Aちゃんがいなかったら
　ヒスンと付き合ってたのは私だったもん！」

その自信がどこから来るのか知りたい。

あれだけヒスンに邪険にされていたというのに。

「ヒスンが言ったの？
　あなたのことが好きだって。
　付き合いたいって」

「それは……」

今にも泣きそうな顔をしているハナを見ていたら、
私の方がいじめているように見えるだろう。

次第に野次馬が集まってくる。

こんな玄関前で騒いでいたら
人目を引くのは当然だ。

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