君の視線から ... 3 (ページ2)

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「嘘つかないで！
　だって、Aちゃんと
　ヒスンが一緒にいる所なんて見たことないもの！
　そんな見えすいた噓ついて
　ヒスンに迷惑かけないで！」

ハナが喋る度に周囲の女子の視線が
冷たくなっていく。

それに気付くことなく
「噓は駄目だよ！」と訴えかける
ハナからどう逃げようかと考えていると、
突然周囲の視線が教室の入口へと向かう。

私も釣られてそちらを向くと、
ヒスンが教室内に入ってきたところだった。

ヒスンは周囲の喧騒にも臆することなく、
平常運転のクールさで自分の席へと座った。

そんなヒスンに一目散に駆け寄ったのはハナだ。

「ヒスン！」

ヒスンはハナを一瞥した後、
私へ目を向けた。

しかし、
その眼差しはハナの体によって遮られる。

「ヒスン、皆が変な噂流してるの。
　ヒスンとAちゃんが付き合ってるって。
　早く否定してなんとかした方がいいよ！」

きゃんきゃんと喚くハナに
面倒そうに眉根を寄せ、
はっきりとそれを口にした。

「嘘じゃない。Aと付き合ってるからな」

「そんな……」

ハナのショックを受けた声は、
直後に響いた生徒達の悲鳴で掻き消された。

「やっぱり本当なんだ！」

「うおぉぉ、
　俺らの天使だったAさんがぁぁぁ！」

「ヒスン様がはっきり言ったわよ！
　間違いないのね」

ある者は驚き、ある者は嘆き、
ある者は楽しげに。
教室内はカオスと化した。

「うわぁ、予想通りの大騒ぎ……」

登校してきたソアが、
教室内の騒ぎを見て口元を引き攣らせている。

「ソア、助けて……」

「ごめん、Aちゃん。
　さすがの私でも手に負えない」

ソアにもさじを投げられ、
収拾の付かなくなった状況を変えたのは、
ハナの叫びだった。

「そんなの嘘！！」

喧騒を割るような声にピタリと声が止まる。

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