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太「“彼女からこの異能の全てを聞いた私達は彼女を守ろうと決意した。
そして、今この異能に対しての定義を改め始めた。
ひとつ、この異能を知った者は現ポートマフィア幹部である太宰治並びに現ポートマフィア准幹部である中原中也を除き即座にこの異能に関する記憶をなくす。
ふたつ、この世界の者は現ポートマフィア幹部太宰治を除きこの異能を消すことは出来ない。
みっつ、
この世界は全てこの異能によって定義される。”」
文字が青白く光り始めた。
世界の定義が発動し始めたのだ。
太宰幹部が勝手に書き換えた。
?「嘘、でしょ。」
太「これで君の異能の事を我々だけが忘れない。
これで、君は私達から逃げられない。」
中「悪趣味。」
太「うるさいよ。」
太宰幹部に本を手渡される。
中を確認するとたしかに書き換わっている。
この本の内容は私には消せない。
太「私の異能が効くようにしたけど、本を触るだけではダメなようだね。
多分文字を触ったら良いのかな?
この異能が発動するときはいつも文字が光るしね。」
もう諦めたように溜息をつき、もう一度眺めた。
その時に、一文目に目が行った。
?「彼女からこの異能の全てを聞いた私達は彼女を守ろうと決意した?
どういう事?」
太「どういうことも何も無い。
そのままだよ。」
中「手前を俺達が守ってやるって言ってんだよ。」
驚きで目を開く。
目が霞む。
中「おい!なんで泣いてんだよ!?」
太「中也、デリカシーなさ過ぎ。
ちょっと黙っててよ。」
今まで誰も私を守ってくれるとは言わなかった。
言ってくれる『人』がいなかった。
でも、彼等は書かれたことが現実になるこの本に誓ってくれた。
勿論、太宰幹部の異能で溶けてしまうこれでは確実とは言えないが、それでもこれに定義してくれた事は本当に嬉しかった。
?「ありがとう。」
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作者名:悠歌 | 作成日時:2018年3月10日 17時