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次の日、血に染まる時間になった頃、裏通りには三人の足跡が響き渡っていた。
太「じゃあ、手筈通りにね。」
中「敵の異能は?」
太「まだわかんない。
油断しないでね。」
?「はい。」
廃屋に着く。
鉄扉を中原准幹部が蹴破ると中は武装した敵がズラリ。
一斉に射撃を始めた。
中原准幹部が異能により弾丸を空中でとめ、そのまま敵にお返しする。
中「ちっ、めんどくせぇな。」
太「中也、そのままね。
まぁ、どうせなら敵に打たれて死んでもいいよ♡」
中「黙れ、包帯野郎。」
二人の喧嘩を横目に見ながら銃を撃ち込んだいく。
暫くすれば生きているのは三人しか居なかった。
ふと、部屋の奥を見れば、ひとりの物陰。
あの顔はたしか、
?「太宰幹部、敵の首領です。」
太「のようだね。
やぁ、初めまして、私太宰治と言います。」
敵「知っているよ。
裏社会で君を知らない者なんて居ないからね。」
太「じゃあ、静かに捕まってもらえますか?」
敵「そうも行かなくてね。
部下をこんなに犠牲にしてやっと鎖をつけ終わったのだから。」
ハッと隣を向いた。
太宰幹部の方ではない。
?「中原准幹部!!」
中「なっ!体が!」
中原准幹部の体に赤い鎖が巻きつく。
ギチギチと酷く巻きつくそれに中原准幹部は重力を使おうとするが痛みで異能が使えない。
太「中也!」
?「太宰幹部、危険です、離れてください。」
太宰幹部が触れても消えない鎖が危険だと察し、中原准幹部から引き離す。
次の瞬間、中原准幹部は敵の首領の狗と化した。
敵「中原中也、彼等を殺せ。」
中「……はい。」
襲いかかってくる中原准幹部から太宰幹部を守る為に前に出る。
中原准幹部の蹴りが入る。
銃身でガードするが間に合わず弾き飛ばされる。
?「くっ、太宰幹部!」
太宰幹部も相次いで殴られ、吹き飛ぶ。
それを感情の無い目で見つめる中原准幹部。
敵「ふふっ、驚いたかな?
私の異能は人間の血により好きな人物一人に対し鎖をつけ従わせることが出来る。
中原中也は強いからね、こんなに犠牲にしてしまった。」
太「まさか、君が例の異能者殺しかい?」
太宰幹部の言葉に心臓が波打つ。
敵の首領は首を横に振った。
やばい、ひたすらにやばい。
今やっと気付いた。
私が殺した異能者の中には絶対にポートマフィアの者が含まれて居た。
太宰幹部の目がそう言って居た。
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作者名:悠歌 | 作成日時:2018年3月10日 17時