18 死柄木弔に出会う ページ18
ですよねー。普通逃がしませんよねー。逃げてもワープで戻されるのがオチでしょうね。
いつのまにか、指が4本、首を後ろから添えている。死柄木が。待って怖い死ぬの？ 私ついに死ぬ？
「答えろ……おまえ、どっから来た？」
「…しょ、くどう……から…です」
ここはあえて大人し目の子を演じる。なぜって目をつけられにくいと思ったから。
「へぇ……じゃあさっきの、瞬間移動ってやつかぁ。うちのワープみたいじゃん」
うちのワープ？ あぁ、黒霧さんのことか…。
死柄木が緑谷にやったように私を脅して話している隙に、個性を発動させる。地面から触手を生やして、死柄木の足に巻きつける。
それに気づいた死柄木が、私から離れた。振り向くと、いない。触手だけが残っていた。おそらく、ワープであろう。
逃げられたか……と落胆し、触手を収めると、後ろから声がした。
「何面白いことしてんだよ？」
後ろを向くと、死柄木と黒霧が立っていた。
「不法侵入って知ってます？ あと、みんながパニック状態で騒ぎになってる間に資料盗むのもダメですよ」
「……何だよバレてんじゃん……黒霧」
「すみません。私の不注意でした」
資料とか盗んだうんぬんはうろ覚えで言っただけだから良しとして、私はどうすればこの場から逃げ切れるのか。まあじきに警察くるわな。
ほら、来たよポリスメン達が。グッドタイミングだ！
「チッ。時間か。黒霧、帰るぞ」
死柄木はワープゲートをくぐる直前、美麗の方を見て言った。
「死柄木弔…」
「え？」
「忘れんなよ」
次に瞬きした時には、そこにはもうだれもいなかった。
続く (更新停止中)
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作者名：えーり | 作成日時：2019年5月9日 0時
