【ヒロアカ】虐待受けてたJCが二次元に飛ばされてました (ページ7)

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7 爆豪勝己は絆されたページ7

あいつもヒーローになりてぇって言ってたな。

雄英の入学初日、学校の前で一瞬ぼやっと考えた。らしくもねェ、くだらねぇ奴のことなんか知るかと振り払った。

その日、偶然そいつとデクがいるとこを見た。

デクの顔は見えたが、そいつの顔はデクと向かい合ってるため見えなかった。誰もいない公園で2人でブランコに座って何か話してた。最近デクが元気なんはあいつのせいかと考え、デクが帰ったところでいまだにブランコから離れないそいつの背後に立った。

おい、と一声かけるとそいつは俺の方を振り返った。振り向いた瞬間、押し倒してやろうと考えてたのにできなかった。否、させてくれなかった。
俺を見るその両目は、何もさせないとばかりに鋭かった。そう、怖くて動けなかったのだ。この俺が。恐れをなした。それを理解した時、悔しいと思った。それから何を喋ったかは覚えてない。気づいたらいつのまにか立ち上がっていたそいつに頬を叩かれてた。
は？と叩かれた拍子に横になった顔を戻すと今度は頬をつねられた。

「な…っにすんだよ！離せ！」

まだ未熟な個性を使ってやろうとしたのに、なぜか個性を使えなかった。そいつの顔をよく見ると、赤色と黄色の色違いの双眼は、深緑に統一されていた。きれいなそれから、俺は目を離せなかった。
見惚れていると、いまだ俺の頬をつねっているそいつは口を開いて言った。

「てめェがどれだけ凄くて恵まれ、周りからちやほやされて育ったとか知らねェけど、自分が一番だとかふざけたこと考えてんじゃねェぞ…
分かったらもうデクを傷つけんじゃねェ」

それだけ言うと、ようやく俺から手を離し、俺を通り過ぎようとした。
納得いかない。なんでこんな見ず知らずの初めて会った奴からそんなこと言われなきゃいけねぇんだ。

反抗した。デクは俺の手によってもっと傷付いた。誰がお前の言うことなんか聞くか、それを知らしめるため、またあの公園に行った。案の定、デクとそいつはいた。
デクがいなくなって、今度はそいつの前に立って互いに睨み合っていた。それからは喧嘩になっていた。負けたのは俺。それをほぼ毎日勝ち目の無い喧嘩繰り返していたある日、そいつは俺に聞いた。

何でヒーローになりたいの？

オールマイトみたいなかっこいいヒーローになって、オールマイトを超える1番になりたい。
俺がそう言うと、そいつは笑った。何がおかしいんだ。ムカついたけど、すでに負けて地面で仰向けになってたから怒る気にはなれなかった。