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不器用なサンタ ページ23

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世間はクリスマスムード一色だ。
帰宅途中の車窓から見える景色もきらきらとしていて、男女二人組が寒そうに並んで歩いているのをよく見かける。




(僕の恋人はこの国だから…)




そう思いつつも、安室の帰宅を待つ女の顔が浮かぶ。




「あ、おかえりなさい。



今日早いって聞いたから、鍋にしました」




少女は嬉しそうな顔をしてこちらを見た後、ぐるりと鍋をかき混ぜた。

向かい合わせになって手を合わせる。
同じ皿の上のものを箸でつつくことはもう当たり前になってしまっていた。




「そういえば渡してなかった」




不意に食器を置き、彼女は鞄の中から紙を取り出した。
渡された紙には、並ぶ『たいへんよくできました』の二重丸。
それは至極当たり前のことではあるのだが、Aは自慢げに腰に手を当てていた。



「いやー私やっぱり天才小学生だからなあ」



「立派な大人が何言ってんだ」



「冗談に付き合ってくれてもいいでしょ」




つまらないと言ったように彼女は口を尖らせた。
通知表を見て、ふと彼女が明日から長期休みであることを思い出す。
そして、



「あ」



「どうしたの、突然」



「クリスマス…プレゼント…」




子供達にとっての一大イベントがもう目の前であることに気が付いた。




「いいですって、いりませんよう。



てか、私も忘れてたし」




そう言い、Aは困ったように笑った。



「警察っていう職に就くと、よりプレゼントとかなんとかって忘れますよね。


…交番に居た時は一番忙しい時期だからってのもあって、忌み嫌ってた頃もありましたけど」



「一種の職業病だな。


酔っ払いや揉め事だったり、面倒な大人達を見てきたせいか


クリスマスが子供が楽しむものだってすっかり忘れていた」



「ほんとにそうですよ…純粋な心を忘れちゃいますね」



「それを今の姿で言うか」



いつもより何となく会話が進むのは、プレゼントを用意しなかったことを少しだけ後悔しているせいかもしれない。
残念ながらAが言うように多忙な時期ということもあり、年始まで仕事でスケジュールは埋まっている。




「夜はさらに寒くなるし、気を付けて行ってくださいね」




テレビのニュース番組では交通規制の様子が流れていて、忙しく未来が見えて思わず顔を顰めた。


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Nattu(プロフ) - かるぴんさん» わわー!いっぱい書いてくれてる!嬉しいですありがとうございます;;同じ目でとかそんな…恐れ多い;;一生なんていただきとても嬉しいです!//嬉しい言葉ばかりでにこにこしてます笑コメントいただきありがとうございます!暖かく見守っていただけたらと思います^^* (7月5日 23時) (レス) id: 37a11942bb (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - >アニメやイラストで安室さんを見てもこの小説を読む前と同じ目では見れません‼︎番外編もとても素敵です。一生忘れられないお話をありがとうございます。 (7月5日 2時) (レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - どんどん展開に引き込まれて読む手が止まりませんでした!1コメ目なんて光栄です!Nattuさんの安室さんが本当に素敵で彼の魅力を再確認できました。 (7月5日 2時) (レス) @page12 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Nattu | 作成日時:2023年5月2日 0時

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