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普段なら出ない通話に何となく出てしまった。
「どういう状況なんだ？」
相手はそう至極全うな反応を示した。
彼が言うに、「向こう」にAは存在するらしい。
普通に彼の家に行き共に過ごし、日常生活を送っているようだ。
(つまり、もう私は「こっち」の人間なんじゃないか。
「向こう」には必要とされていないのではないか)
そう想像してしまうのは早かった。
慌てふためく彼を他所に、自分の意志が決まるのは早かった。
「「そっち」の私を頼んだよ」
そう勝手に言い放って電話を切った。
それが合図だったのか、携帯電話がすぐに震えることはなく、「向こう」の世界に切り離されたような気がした。
(少なからず「向こう」に戻りたいって思ってたんだけどな)
携帯の背面で笑う自分の顔が憎らしい。
目が熱くなっていくのを感じて上を向く。
月はそんな残酷な状況を嘲笑うかのように輝いていて。
「…あっ」
ふと、自分を見つめる熱い視線に気が付く。
カーテン越しにでも分かる、安室の真剣な眼差しに耐えられず愛想笑いを浮かべていた。
(最悪な時に出くわしてしまった)
ざわざわとは警報が鳴るかのように、心臓の音が早くなる。
そして、写真のことを言われてさらにその速度は増していた。
やはり、彼は「元」のAを知りたがっているのだ。
しかし、出てくると思っていた安室の言葉は違っていた。
「無理に、「こっち」に染まろうとしなくていい」
これをきっかけに詮索してくるのだろう、そう思っていた。
抱き締められながら、また目が熱くなるのを感じる。
「…何で、透君は何も聞いてこないんですか」
誤魔化すようにして、思っていたことを尋ねる。
彼は少し黙った後、
「「こっち」の君と「向こう」の君は違うからだ。
僕が知っているのは大人びた少女の君だけ。
少し「向こう」の君なんだろうと感じる部分もあるけれど…
君が話したくないと思うことを無理に聞く義理もないからね」
優しくそう言った。
(貴方は犯人を追い詰める探求心があるんじゃないの。
なんで…よく分からない存在の私をそうやって放置できるのよ)
漫画で見る彼の姿とは違う気がして、惑わされ混乱してしまう。
だが、こうやって彼と生活していく中で、そんな安室の態度が安心感に繋がっているのは事実だった。
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Nattu(プロフ) - 慎さん» すみません今気づきました〜;;遅れてすみません;;作品違うのに遊びに来てくれて嬉しいですいつもありがとうございます！好きな作品被りで嬉しいです〜！ (2023年1月11日 16時) (
レス) id: 3f1ef1106e (このIDを非表示/違反報告)
慎(プロフ) - Nattuさん〜！新作投稿ありがとうございます😊まさかの供給に少し驚きました。コナンの世界は私も好きなので今から凄く楽しみです(๑•̀ㅁ•́ฅ✨今作品も変わらず、応援しております´ω`* (2023年1月2日 22時) (レス) @page3 id: a9894f14eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nattu | 作成日時：2023年1月2日 22時
