【HUNTER×HUNTER】我が家の看板娘２ (ページ6)

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カストロの部屋の前の廊下を歩いていると、部屋の中でカストロか本を読んでいるのが見えた。
今は一般人のオーラ――いや念の初心者を装っているから、カストロには私がここにいることがバレているだろう。

「こんな所で何をしている」

案の定話しかけられた。
だが、奴は背後から声をかけてきた。
横を通った気配はなかった筈だが……。

『君と戦いたいと思っただけだよ』

「お前のような弱い奴に興味はない」

念の才能は申し分ない……だがなんだろう。
この溢れ出る違和感は。

『知ってるかい？本当の強者は実力を隠すものなんだよ。それも、敵を屠る最後の最後まで』

「――フッ、いいだろう。あと一戦であいつの元まで届くんだ。その前にお前の言う強者とやらを見せてもらおうか、ソルイ」

『あら、知っていたの？カストロ』

いや、知っているのは名前だけ。
ファミリーネームは知らないからこんな事を言えるのだろう。
まあいい。
ネタバレを見たようで申し訳ないが、カストロ、君の念能力の一つはもう見破ったよ。

「日にちは何時がいい。今日から一ヶ月間先までならば俺は何時でもいい」

『一週間後にしましょう』

本当は今すぐ殺りたい。
だが、それでは戦いではないのだ。
折角ならば戦いたいじゃないか。

「いいだろう。一応楽しみにしている」

『ええ、私もよ』

その後に小さく呟いた言葉は恐らく聞こえていないだろう。
――失望させないでね。
何故だろう。
矢張、私はゾルディックにとことん向いてないらしい。

部屋に帰ると、キルアがしょぼんとしてベッドの縁に腰掛けていた。

『どうしたの』

「姉貴。何時から知ってた」

『そうだね。キルが産まれる前だよ』

最初はまさしく邪道だったはずだね。
確か、誰だか知らない念能力者に攻撃されたから目覚めたんだったかな。
その後、何とか自力で覚えたね。
仕事を完遂するまでは戻って来るなと言われていたから、念を覚えないと殺せなかったんだ。

「姉貴と兄貴は、どっちが強いんだ？」

『私だね。イルは私に一度も勝ったことが無いから』

そういうと、キルは物凄く目を大きく見開いた。

『キル、慌てることは無いよ』

ふわふわの頭を撫でると、猫のように首を竦めた。