ao ページ42
〜イルミ編〜
よく喋る忍者の後にあまり喋らないイルか。
差がすごい。
イルは相変わらずカタカタ言いながら歩いてくる。
ホラー映像な気がするけど、言わないでおこう。
ちなみに私は現在、絶をして、扉の対面の壁にもたれている。
イルがこちらに背を向けた、つまり扉を開けようとした瞬間、イルに近づき極小ナイフを刺した。
勿論、イルは気付かない。
イルはカチャリと扉を開け、音もなく部屋の中に入っていく。
私はドアが閉められる前に滑り込んだ。
電車に駆け込み乗車したような気分である。
駆け込み乗車をしてはいけないけどな。
「姉さんか。」
『あぁ、姉さんだ。』
「ヒソカに何をしたのか聞いても全く教えてくれないからさ。少し警戒してたんだけど。その必要はなかったね。」
否、どうだろうね。
実際、イルが話しているのは人形だし。
姉だからって気を抜きすぎだね。
『準備運動だと思ってくれればいいから。』
他の人と同じように手を挑発するように動かす。
(勿論人形の手を)
「……何か腑に落ちないけどいいや。」
イルはそう言って素早く私(人形)の後ろにまわる。
そして、回り蹴り。
人形を操作して避けさせる。
外から傍観している以上、イルの攻撃は常に把握できる。
避けさせることなんか容易だ。
･････････
「相変わらず、姉さんは速いね。でも、何で攻撃しないの？」
皆、そう言うけど、私は攻撃するなんて一言も言ってないんだけどね。
私が攻撃しないと、そんなに不自然か？
『避けることしか出来ないからね』
イルへの操作を止めて、私は言った。
さらさらの髪をフワッと浮かせて、振り向いた。
「あれ？」
『まだまだね。』
私はそう言って、イルに近づき、極小ナイフを抜いた。
同時に人形がガタガタと崩れた。
「姉さん、まさか、俺を操作してたの？」
『気づかなかったでしょ。』
「どうやってナイフを？」
『普通にグサッと。小さいから痛みそんなにないでしょ？』
果たして擬音が、グサッ、で合っているかは疑問である。
「殺気感じなかった。」
『だろうね。出してないし。』
イルは顔をしかめた。
私の前だと分かりやすいな、イルは。
『ま、他の人には言わないでね。まだ何人か残ってるから。』
「これを明かしたのは？」
『イルとヒソカだけ。念が使えない者に教えるつもりはない。』
「そ。じゃあね。」
『イル、なかなか上達してたよ』
私がそういうと、イルの足取りは軽くなっているように見えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 83人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
W,R 芽生(プロフ) - とても面白いです！早く続きが読みたいです。更新頑張ってください(*´ω｀*) (2018年5月6日 9時) (
レス) id: 62dd674ff6 (このIDを非表示/違反報告)
アルブラッド(プロフ) - オレンジさん» ありがとうございます！とても光栄です(≧∇≦) (2018年4月5日 19時) (レス) id: aab53ad4fe (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ(プロフ) - ストーリーはさることながら、夢主が格好いい!サーカスの回で惚れました( 〃▽〃) 更新楽しみにしてます! (2018年4月4日 16時) (レス) id: 25f8135882 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アルブラッド | 作成日時：2018年4月2日 20時
