an ページ41
〜キルア編〜
私は絶をして、キルが来るのを待つ。
キルは面倒くさそうにポケットに手を突っ込んでのんびり歩いてきた。
キルが扉を開ける瞬間、絶はそのままで音を立てずに極小のナイフを刺した。
そして、扉が閉まる前に部屋に滑り込んだ。
「姉貴か!」
嬉しそうに人形に話しかけるキル。
可愛いなんて思う自分に、つくづく私はブラコンだと自覚させられた。
『ちょっとしたウォーミングアップだよ。さあ。』
そう言って人形の腕を操作して挑発するように手を動かす。
勿論、キルには私の声が人形から聞こえている。
「オッケー!」
キルもポキポキと指を鳴らして、体をほぐす。
ウォーミングアップなどと言ったが、キルは本気のようだ。
・・・・・・・・・
パンチ、キック、パンチ、またパンチ。
キルの攻撃をすらすらと避けていく人形。
精密な動きをさせるのはやはり、私にも負担がかかる。
三人目だというのに…これが終わったら少し休憩でもするか。
「やっぱり姉貴は流石だな……でも、」
そう言って、キルは動きを止める。
「何で攻撃しねえんだ?」
『言ったでしょ、ウォーミングアップだって。』
「……俺はまだ姉貴に敵わねえんだな」
少ししょんぼりしている。
いつもなら頭を撫でてあげるのだが、人形に触れられてしまうと、触覚まで操作しなければならなくなるので非常にきつい。
『自覚あるんなら、一人でも特訓しなさいな。』
次あるから、とキルを部屋から追い出した。
少し悲しそうな表情を見て心が痛んだ。…多分
キルが扉を閉める前に廊下に出る。
絶はしたままなので、キルには気づかれていない。
「……姉貴、ちょっと変だった」
ボソリと呟いたその声にドキリと胸がなる。
自身の動きというのは見えないからよく分からない。
操作して再現するのも難しかった。
流石に身内には違和感を覚えさせてしまったようだ。
キルが行ってしまう前にナイフを抜いた。
83人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
W,R 芽生(プロフ) - とても面白いです!早く続きが読みたいです。更新頑張ってください(*´ω`*) (2018年5月6日 9時) (レス) id: 62dd674ff6 (このIDを非表示/違反報告)
アルブラッド(プロフ) - オレンジさん» ありがとうございます!とても光栄です(≧∇≦) (2018年4月5日 19時) (レス) id: aab53ad4fe (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ(プロフ) - ストーリーはさることながら、夢主が格好いい!サーカスの回で惚れました( 〃▽〃) 更新楽しみにしてます! (2018年4月4日 16時) (レス) id: 25f8135882 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アルブラッド | 作成日時:2018年4月2日 20時