噂のバレーバカとはこの人の事です

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国見side





“何となく嫌な予感”は当たった



烏野は去年まで予選の一回戦で敗退するという事を三年くらい続けていた所だから


影山一人が入った所で弱い奴らが変わると思って居なかった







しかし、入った化物は影山だけではなかったのだ


あのオレンジ頭のチビと身長が高いリベロ




チビの方はジャンプ力と瞬発力が強みだ


基本の動作や他の技術を全てこの二つに注ぎ込まれているかのようだ



今回の試合では太刀打ちできなかった目を瞑って打つ速攻は

IHの予選までには攻略出来る



他の技術が拙いからあの速攻さえ抑えたらどうとでもなる









問題はあのリベロの方にある


付け入る隙が無い、つまり弱点が見当たらないのだ




試合前も試合中も飄々としていて、掴み所のない奴だと思ったが

第一セットと第二セットの中盤までは普通のリベロだと認識していた



だが、この時に気付いておくべきだったと今更ながら後悔している






自身の周辺に来るボールは全て影山の元に返していたことに





自身の所から離れていたボールは他の後方に居た人達に任せていたから

俺達は点数が取れたのだ




それどころか、あのリベロは俺達の癖やそれぞれの得意、不得意を観察していた



確信を持てたのは及川さんが来た後だ


及川さんが来たことで何かが吹っ切れたのだろうか、空気が変わった




圧倒的な存在感を放ち、

腹がすいた肉食動物がひ弱な草食動物を見るような目つきになった




そこからは此方側が打つボールをほぼ全てを拾い上げた


俺達の動きを的確に予測して打つ先に既に居る




試しにストレートとクロスを打つ直前に変えてみたが動揺しなかった




それだけなら試合終了まで耐えられたかもしれないが、

及川さんのサーブを一発で止められたときに俺達の心は折れた












“何となく嫌な予感”がする時から影山よりもこのリベロを警戒すべきだったのだ



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