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11話 ページ12

Aside



そして、ある日の数学の授業中。



私達は隣同士で問題の答え合わせをしていた。



杉谷「なぁ、A。これって何でこうなるんだっけ?」


「ん?あぁ、それは……」



これ、と問題を指差す杉谷に、私はなるべく丁寧に説明する。



「〜〜なんだけど、分かった?」


杉谷「えっと、じゃあ………こうなるのか?」


「うん!そうそう!」


杉谷「おー!ありがとう!」


「!」



そう言う杉谷の笑顔にあの人が重なった。




『よ!久しぶりー』



『A!』




杉谷「お………お……い!A!」


「へっ?あ、」


杉谷「どうかした?何か具合悪そうだけど」


「え、あ、ううん。何でもないよ」



心配そうに声を掛けてくれる杉谷に、私はそう返した。



杉谷「そうか?ならいいけど、」



安心したように杉谷はまた笑った。



……あぁ、やっぱりどうしても重なる、あの人に。


やっぱり、似てる。


優しいところも、裏表のない真っ白な性格も、無邪気な笑顔も、全部。



でも、忘れなきゃ……あの人の迷惑に、なりたくない。


もし、これからあの人と会えたとしても、何年を片思いしてたなんて言ったらきっと迷惑だ。


前にあの人を知っている友達と交わした話、もし、もし…………



友達『あの人に彼女が居たらどうする?』


「え?………しょうがない、んじゃないかな」



あの時私はそう言った。


もし、あの人に彼女が居てもしょうがない。


あの人のことは好きだけど、私が自分の気持ちを伝える勇気がなかったんだからしょうがない、私はそう思った。


いや、そう自分に言い聞かせていた。



本当は………もし運命があるのなら、またあの人に会えるはずだ、私は自分の弱さを隠すように心の中でそう思った。

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スガ - いぇい!さん» 返信遅くなって申し訳ありません!ありがとうございます!先生バージョンとは先生がお相手の話ということですかね?遅くなるかもしれませんが、承知致しました! (2020年8月9日 9時) (レス) id: 412a05d814 (このIDを非表示/違反報告)
いぇい! - 19まで読んだんですけど面白すぎてヤバイです笑 (2020年7月21日 0時) (レス) id: b3944d34d2 (このIDを非表示/違反報告)
いぇい! - はじめまして!まだ読んでるの途中なんですけどとても面白いです!あの、この作品が終わってからでも良いので先生バージョンもつくってほしいです!本当にできたらでいいので…!これからも更新頑張ってください! (2020年7月21日 0時) (レス) id: b3944d34d2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スガ | 作成日時:2020年4月12日 3時

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