シアワセ【そらる】 (ページ4)

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この家に来るまでの道中で彼女のことでわかったことがいくつかある

名前は東雲Aというらしい。そして年齢は17歳。大学生ぐらいだろうかと思っていたがまさかの未成年。未成年があんな時間に何をしていたのか聞くとただ一言、家に帰れないとにへらと笑って彼女は言った。

とりあえず家の中に入れたはいいが、2人ともここに来る途中で雨に見舞われてびしょびしょになってしまった。
リビングまでAを連れて行きここで待つように言って急いでタオルを取りに行く。
タオルを取ったついでに浴槽に湯を張る

「とりあえずこれで拭きな」

リビングで何も付いていないテレビをなぜか見つめていた彼女に後ろからタオルを頭に被せた。そしたら、異常に肩が上がって身をすくめるA
え、俺何かした、、、？

俺が戸惑っていると数歩遅れてこちらに向きお礼を言う。急でびっくりさせただけだったのかもしれないと思いスルーしてキッチンに向かう。お湯が溜まるのはまだ少し先だから少しでも風邪をひかないようにと暖かい飲み物を出そうと思ったが、何を入れれば喜ぶのだろうと悩んだ末に無難なココアを入れAの元へ持って行く。

「A、ん、これ飲みな」

「、、え、私に、ですか、、？」

「え、A以外に誰がいるの」

ココアが入ったマグカップを大きい目をぱちくりとさせこれでもかと凝視する様子を不思議に思いながらも、ほらとカップを持つように差し出す。暑いから気をつけてと伝えながら

最近の子はココアは知らないのか、、？と思うほどココアを物珍しそうに見つめる彼女を横目に自分用に入れたコーヒーを少し冷ましてから飲む。
俺の様子を見てた彼女も少し冷ましてから口に含む

「あ、あまいっ、、？」

「え、ココア飲んだことないの？」

一口飲んだAから発せられた言葉は驚く言葉で、まるでココアを初めて飲みましたみたいな言い方で
彼女は俺の質問に簡単にただ1度だけ首を縦に振った。
ガチで、、、、？そんなことってある？

俺が言葉が見つからず戸惑っているうちにお湯が溜まったと知らせる音が部屋中に響いた。その音にびっくりしたのか彼女の方はビクッ！と跳ねた

「ぁ、お風呂、溜めたから入っておいで風邪引いちゃうから」

お風呂に入れようとしたのになぜか入ろうとしない彼女を若干無理やりお風呂場に詰め込んでタオルと服を説明して置いてちゃんと温まってくるように言って置いてきた。