【募集企画】２年３組ｗｅｉｒｄｏｅｓ【リレー小説】 (ページ43)

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逃走人２/十六夜葵ページ43

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先生「…では次の問題を……」

葵「はーいはいはいはいはいっ！葵知ってます！！」

先生「…十六夜さん」

　手をブンブン振り回していると、数学の先生は無表情で葵のことをチョークで指差す。
そう言えば人って指差しちゃいけないってよく言うけど、チョークとかだったら指して良いのかな？
そう思いながら、葵は先生に答えを言った。

葵「４x７y！」

先生「……正解」

葵「やったー！葵やったよー！」

　ふふん、と葵はドヤ顔をしながら席に着く。
それにしてもいつも思うけど解説って面白くないよね。
んー、今日は何しよっかな、と窓の外を見ながら考える。
っていうか先生誰かが手をあげる度にビクビクしてるような気がするんだけど。
何でだろ？
その疑問は、次のくなげちゃんの発言で解消した。

亞之「せーんせーしーつもーんでーす！！」

　くなげちゃんの元気な声にくなげちゃんを見ると、くなげちゃんはにっこにこの笑顔をしている。

先生「っな、なにかな亞之さん？」

亞之「あのねー、私コーラ飲みたいの～」

　先生の顔が引きつった。
これは葵でも分かる。人の感情を読み取るのが苦手な葵でも。
先生はくなげちゃんに怯えてる。
なるほど、先生がビクビクしていたのはそれか。
え、つまり先生はくなげちゃん苦手なのかな？

先生「へ、へーそっか。じゃあ帰り道に買えば──」

亞之「と、いうわけでコーラ買ってきまーす！！」

先生「……………」

　そう言ってくなげちゃんは先生の返事を待たず窓を開け、そのまま外に。
”そのまま外に ”？

何それなにそれ！！
良いの、この学校授業バックレても！！？
きっと今の葵は目をキラッキラに輝かせているはずだ。
自分でも分かる。それほど、興奮していた。

葵「先生！！」

　ガタッと音を立てて椅子を立つ。
大きく手を上げて、葵は先生に言った。

葵「授業つまんないので、校庭に落とし穴作ってきます！！」

先生「あっ、ちょっ、十六夜さん？！」

　先生が何か言ってたけど知らない！！
ガラッと教室の扉を開けて、最近読んだ本に書いてあった綺麗な落とし穴の隠し方を思い出しながら葵は校庭に走るのだった。

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作者名：ヱヰ

白目黒口様の亞之くなげさんをお借りしました。