お父さんに無理矢理鍛錬させられたので死なない程度に頑張ります【鬼滅の刃】

第四十六話 万事解決 ページ46

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(…丁なんだ)


階級が示されている甲に、目をキラキラさせながら見ているAに内心溜息をつく。

先刻目の前にいる面倒くさい女から手合わせをしてくれと頼まれた時透。息をするように断るものの、言葉では表せられない程にしつこかった。もう本当に。

「柱の時間はお前とは違う」「他の人に頼め」と言っても、頑なに頼んでくるAに渋々諦めた時透。最早ここまで来れば合掌ものだ。


時間の無駄だと思いながら手合わせをすると違和感を覚える。勿論結果は時透の圧勝。でも筋力がついてるのか分からない程の手足からは、想像以上の力がある。そして何より足が速い。一撃で終わらせてさっさと立ち去ろうとする筈だった時透は、一瞬思考が停止した。


だが経験値も実力も時透の方が優っている為、呆気なく地面突っ伏すA。だが彼女はそこら辺の隊士とは少し違うようだ。


「君は毎日鍛錬してるの？」


『え"…た、偶に休日の時に素振りを少々…？』


「真逆それだけ？」


『申し訳ございません！！！』


目にも留まらぬ速さで土下座を披露した彼女の様子から、どうやら本当みたいだ。本来なら馬鹿だとか、いつ死んでもおかしくないと言い放つのだが


(多少の素振りであの動きが出来るのなら、この人には才能があるのかもしれない)


又は、実戦経験を重ねる毎に技術を身につける能力が人一倍優れているのだろう。
まぁそんな事、目の前で阿呆面で空を眺めている奴には絶対に言わないのだが。

もしAが真面目に鍛錬をすれば、十二鬼月を倒し直ぐに階級が上がるのではないかと考える。


「ねぇ。君が一人で鍛錬しているなら僕が…？」


『？どしたの？』



時透は思わず口元を手で覆った。自分は今何を言おうとした？真逆「鍛錬に付き合う」とでも言おうとしたのか？
第一、自分が彼女に鍛錬をする義理などない筈だ。何故自分がこんな事を言おうとしたのか分からない。

首を傾げながら考えていると、目の前の彼女も不思議そうに首を傾ける。



『何か悩みがあるならこのAちゃんに話してごらんなさい！！万事解決しちゃいますよ！！』



「大した悩みじゃないし、君に話したところで状況は変わらないからいい」



『ぐぅ…絶好調だね！』






"万事解決"

(時透君はもっと柔らかい言い方をしたらよろしいと思うの)

(君はもっと賢い発言をすべきじゃない？)

(どういう事かな？？)

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