第四十二話 おはぎ ページ42
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先刻蝶屋敷で運良く先輩と会ったのだけど、すんごい先輩の顔がえぐい事になっている。すんごい苛々してるのがわかる。
『…先輩、何をそんなに怒ってるんです?』
「今の状況に決まってるだろうが!!」
『え、でも先輩が手当てしてやるって…』
「テメェがずっと喚いてるからだろうがァ…!」
「ほらよ」と両頬に貼られた湿布をパシッと叩かれる。痛いです先輩。
初めて会った時は何故か一方的に叩かれたよなぁ。まぁ私がおはぎ嫌いって言っちゃったからなんだけど。好きなもの否定されるとちょっと悲しくなるよね。先輩の場合は悲しむより暴力に走ってますけど。
それでも何やかんだ文句言いながら手当てしてくれたり、先日任務行く時だって、見知らぬお婆さんの荷物持ってあげたり。
(…先輩って見た目によらず優しい?)
なら私に対してもう少し優しくしてくれても良いだろうに。何故私の扱いは雑なのだろうか。
『解せない!!』
「うるせェ」
丁寧に使った医療器具を元の場所に戻す先輩。あっ、忘れてた。
『先輩!この前は失礼な事言ってしまってごめんなさい!あと下弦の鬼やっつけてくれてありがとうございます!!』
『そのお礼のおはぎです!!』と手渡すと、少なからず驚かれた。
「…テメェにそんな教養があったとはな」
『どんだけ先輩の中で私の評価低いんですか。泣きますよ』
私だってお礼と謝罪くらいできますよ。滅多にしないだけで。常に心の中で思っていますよ。
「テメェの所業は兎も角、筋だけは良いんだからもっと鍛錬しやがれ。まだ一人で十二鬼月殺った事ねェんだろ」
『?私が鍛錬をしても、彼等を倒せると思いったぁぁぁい!!』
思った事言ったのに何故か頭を鷲掴みにされる。だって私みたいな弱っちい奴が倒せるわけがないじゃないか!!
「なんなら俺が付き合ってやろうかァ」
『全力で鍛錬させていただきますね!!!』
先輩と鍛錬とか無理だって死ぬって。何回三途の川渡らなきゃならないの。
先輩は立ち上がり、「俺は帰る」と蝶屋敷を出て行ってしまった。ちゃっかりおはぎ持って帰ってくれてますし。
『…今度はもっといいおはぎを提供してあげよう』
そしたら今度会ってもあまり殴られずに済むかもしれませんし!!私ってばやっぱり賢明だと思う!!
"おはぎ"
(今度胡蝶さんにもっと美味しいおはぎのお店教えてもらおう)
(カァァァ!!小娘ェ!!)
(げ!鴉君!?)
第四十三話 感動の再会は両者が感動しないと成り立たない→←第四十一話 苦手な事
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ババロア(プロフ) - Regulusさん» Regulusさんコメントありがとうございます!更新速度が遅く申し訳ありません。楽しみに待って下さりありがとうございます(*^^*)更新頑張りますね! (2020年3月29日 22時) (レス) id: a1d52bd2f6 (このIDを非表示/違反報告)
Regulus(プロフ) - 続き楽しみに待ってます!更新頑張ってください(*≧∀≦*) (2020年3月25日 21時) (レス) id: 9c91fd3a1d (このIDを非表示/違反報告)
ババロア(プロフ) - はるさん» はるさんコメントありがとうございます!笑っていただけてとても嬉しいです!更新はばらつきがありますが、見ていただからと嬉しいです!! (2020年3月1日 18時) (レス) id: 1c6ad8268f (このIDを非表示/違反報告)
ババロア(プロフ) - .さん» コメントありがとうございます!!他作も見ていただきありがとうございます!主同士のコラボは中々思いつきませんでした笑 是非やらせていただきたいと思いますので、暫しお待ちくださいませ! (2020年3月1日 18時) (レス) id: 1c6ad8268f (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 読んでいて笑いが止まりません!更新楽しみにしています (2020年3月1日 12時) (レス) id: de479982fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ババロア | 作成日時:2019年12月16日 15時